ハニラミ日記 〜日々のレッスンから〜

　あぁ〜楽しかった。月に一度の中学生スピーキングレッスン。

　私の教室は、私自身がスピーキングに特化したいという理由で、幼児や小学生から通っている子どもたちが中学2年生になった時点で卒業をさせることにした。受験対策の英語レッスンを止めたということ。中学生になるとどうしても興味は「受験」に移ってしまう。それは当然のことだから私はなんの反論もない。だから、受験対応をしてくれる塾などは幸い私の教室の周りにたくさんあるので、そちらにお任せしようと決断した。受験は私の出る幕ではない。

　さてほぼ毎日夜中学生のレッスンをしていた私、この空いた夜の時間をどう使おうか。
そうしていたら、なんと教室を卒業した生徒や保護者の皆さんから「スピーキングレッスンをしてほしい」と願っても無い嬉しいリクエストが。
では、と春から月に一度中学2年生の「スピーキングレッスン」を始めました。大人の英会話の内容で、今中学校で習っている文法をどうスピーキングに活かすか、そんな内容の自由な時間。応募条件は「自分の意志で参加したい人」そして私の教室の卒業生。嬉しいことに、毎回多数の皆さんが集まってちょっとした同窓会みたいになっている。

　せっかく大事な金曜日の夜に集まってくれるんだから、私もとにかく自分の伝えられるものをわかりやすく凝縮して伝える。みんなが笑って、声を出して、中間管理職的な中学2年生というしんどい時期のちょっとした息抜き、他の世界を垣間見る時間にしてもらえたりいいな、とレッスンを組む。
英語の挨拶から英語スイッチを入れる為の即答クエスチョン。腹から声を出して、わざと大振りのジェスチャーでのロールプレイ…久しぶりで最初表情の硬かった子どもたちの顔が、どんどん笑顔に変わっていく。
　最近学校で習ったのが未来形だね。、じゃそれを使ってみんなのプランを教えて。数人答えてくれる。大半は「これ言っていいのかな」と心の中で葛藤している。意外に多かったのは、大人になってからのこと。希望も含めた未来。それじゃ。。。と、声をかけてみる。
「あのね、これは先生もしてることなんだけど、自分の希望を口に出したら叶う確率がグンと上がるんだよ。だからね、先生欲張っていっぱい言うわ。みんなも言ってみたらきっと叶うよ」
　もし今日言えなくても、「自分の想いを口に出したら気持ちいい」「誰かが聞いてくれて嬉しい」そんな気持ちを、是非英語のスピーキングを通して知ってほしい。二十数年前の私自身がそうであったように。

　さて、冒頭私は「受験は私の出る幕ではない」と書いたが、もうすぐ始まる新受験は英語の四技能が必要。実はこのスピーキングクラスは英語を使うことを想定してのクラスだけれど、しっかり対応なども教えている。可愛い卒業生たちだもの、英語を学んできたことが自分の喜びに繋がらずにどうする、そんな想いで毎回受験にもしっかり応用可能な英語の構成やリスニング、読み方覚え方まで全てカバーしている。違うのは、「話す」ことを中心に進めていること。
　そう、結局言葉は「使う」ためのもの。「使う」ことが出来る人にとって、その仕組みを聞かれたり文章を書かされたりすることは、ただ机に向かう人よりも楽なことだってある。どうせ学ぶなら、使える形から学んでいけたらいい。そんな想いで私自身、毎月楽しんでいる。