2018年07月22日

自分を越えていく



 ハニラミ英語教室の夏のチャレンジ、今年もみんな大成功
教室では、6月から7月半ばの一ヶ月半かけて各クラス課題を設け、英語の暗唱にチャレンジします。

 教室に5月から通い始めた子どもたちは自己紹介を、そして2年目以上の子どもたちは既習年数によって100ワード前後の課題を暗唱します。
教室での決まりは、おうちで週に1回以上おうちの方にみてもらうこと。暗唱バッチリの場合は花マル、課題文を見ながらだったら読める場合はマル、つっかえてしまう場合は△で付けてもらい、更にサインをもらいます。
毎週2行ずつくらい。スモールステップを積み上げます。
 教室では、その数行ずつ増えていく課題を毎回発表し合います。他の生徒は誰に当てても前向きなコメントが出来る様に、発表を聴きます。

 私がすることは、場を作る事(課題を与えることと)と進行のみ。いわゆるファシリテーター。子どもたちはお互い前向きな言葉をかけ合うこと前提ですので、見方も「良いところを探す」作業になります。言われる方も、良い所を教えてもらえたら、次へのモチベーションに繋がります。
 それを毎週積み上げての、本番。
そこでは全員が100ワード前後の課題文を暗唱している上に、それぞれの余裕に合わせて表現に工夫をしたりして臨みます。

 私が示した今年の目標は『届ける』。みんなの声を届ける。物語や説明文の内容を『届ける』
例え英語が分からない人が発表を見ても、その内容が分かる様に届けよう、それが合言葉でした。

 私が感情を出す事、自分の意見を言う事はほとんどなく、最後から2度目のレッスンで初めて私からのアドバイスを送りました。そこまでいくと、それぞれが自分で弱点を探り、直しているから本当に最後の塩一振り、それを伝えます。

 そして迎えた発表会当日。同じ課題文でもそれぞれの暗唱は違う。豊かに表現する生徒、ドキドキが隠せないけど一生懸命思い出しながら発表する子。どの子にもそれまでのプロセスがあり、私はどの子の歩みもすぐに思い出す事が出来ます。それ故、何度も涙が溢れ、その度に仕事モードに入れる、そんな胸いっぱいの時間でした。

 いつもの8人の教室よりもずっと多い約100人の前にたった一人で立ち、よく頑張りました。
最後に毎回皆さんにお伝えすること、おうちの方、今日はダメ出しは無しです。あそこに立ったことをまず、讃えてください。技術的な事は私の仕事。これからの指導にしっかり活かしていきますから、ご安心ください。
 子どもたちにとって、大好きな家族の笑顔は何よりのモチベーションになりますから。
それがあって今回の暗唱発表会は完成なんです。

 子どもたちは先輩の発表を見て、来年の自分を描きます。上手な子どもの発表はどこが良いポイントなのか、それを見る姿勢をレッスン中に身につけていますので、自分でこれからますます上を目指していくでしょう。夏休み初日はドキドキな日になりましたが、終わって爽快!これからめいいっぱい楽しい夏休みを過ごしてね。
『今は好きな事を好きなだけ…それが後から大きな力になります』
今、外国で学生生活を送っている皆さんの先輩からのメッセージをお届けして、この会を終わりました。  

2018年07月14日

自分で掴める人になれ



 最近教室からの卒業生の話を聴いていると『高校でも英語が楽しい』『高校の英語のテストは常に高得点』と言われます。その結果よりも嬉しいのは、英語がその子を励まし明るくしているものになっていることです。

 中学生は、とかく受け身の学習になってしまいます。「塾にさえ行っていれば、点数が上がる」そんなことがあるなら魔法です。上がっている子は、塾でも学校でもしっかり自分に必要な物を自分から受け取っているのでしょう。ただその場にいるだけの子は、どこにいても必要な物を得てはいないのです。

 「受け身」に慣れ過ぎると、高校以降で苦労します。自分で動かなければいけない時に、動けない

 私が教室でしていることは、自分から掴む事です。
昨日中学生に『先生の教え方は分かりやすい』と言われて励みになりましたが、それは受け取り手のあなたが、しっかり必要なものを受け取って活かしているからだよ。と伝えたいです。とにかく授業中の質問が多くて素晴しい。大小様々ですが、私も唸る程の良い質問がたくさん出てきます。

 掴んで活かす。
実はとても難しいことです。でもそれが出来る様になれば、これからの人生、主体的に生きていけます。勉強や仕事でもクリエイティブになれます。そんな人生は楽しいものです。

 今年から、中学生は1年生が終わると同時に卒業になります。1年生の間に自分で掴むことを学び、2年、3年でそれを自分のモノにして欲しい、という気持ちと、私自身のワークライフバランスのためです。

 ということで、今、魂の授業展開中。
しっかり受け取ってくれてるみんな、ありがとう。  

2018年07月04日

日本の行方




 私は英語教師です。もちろんどうやって子どもたちが英語を使いこなせる様になるか、を日夜考えテクニックを学んでいます。
が、その想いにいつしか「どうやって子どもたちが自分の考えを自由に話せる様になるか」が加わり、更に「どうやって子どもたちが主体的に物事を見るようになるか」と考える様になりました。

 今、日本は2020年度、オリンピックイヤーに向けての大教育改革まっただ中。文科省の改革目標を見ていると、『たくさんの情報の中から必要なものを抽出して、自分なりに理解をして人に伝えられる人を育てる』…と、これには共感。でも方法はめちゃくちゃ。計画性がなく、既に行き詰まっていることは政治に詳しくない私でもよく分かります。
また更に、アクティヴラーニングとやらの中では、受け身の授業ではなく自分も参加して学ぶ、という漠然とした目標もある。現時点でアクティヴラーニングの解釈は様々で、みんな好き勝手に解釈をしていますが、学校では数学の教え合いなど、塾の「アクティヴラーニング」って何をするんやろ?あちこちにここぞとばかりに「英語教育」と「アクティヴラーニング」の文字が踊っています。

 正に今私が知りたいと思っているのは、これ程までに叫ばれている「教育改革」、実際現場がどこまで付いて行けているのか、というところです。現場っていうのは、教育現場もですが、家庭もそうです。

 踊らされては、いませんか。

 私は研究を始めました。実際いろいろなおうちの方々とお話しする機会は普段からありますし、毎日一定数の子どもたちと会うのでその生活や学習のことは把握しています。もう一つ言えば、英語教室は言葉の教室ですので、子どもたちが今学んでいる中で何をどう感じているか、子どもたち自身の気持ちも多く聞いています。学校の先生方とも出会って話す事はありますが、もっと声が欲しいと思い、Twitterを始めました。全国の小、中学校・高校の先生方300人以上と繋がり、今の問題点を探っています。

 その中で今見えていることは、家庭、学校、社会それぞれが子どもたちに向かう事を譲り合っている現状です。
「もっとこうして欲しい」「家庭はこうあるべき」「塾に行けば成績が上がる」…等々、子ども自身の気持ちや希望は置いてけぼりで、周りの大人たちがそれぞれに子どものことを譲り合っている状態がよく見られます。

 おうちの方が忙しいご家庭では、子どもたちの勉強を十分見てやれない、と思われています。家庭からの要望や文科省からの要望で学校はもういっぱいいっぱい。精神を病んだり、職場を離れたりする方が急増中。これはあまり知られていませんが、全国的に先生が足りない状態になっています。塾や各種教室は、これがビジネスチャンス!とばかりに容赦なくおうちの方々を煽ります。社会は…どうでしょう。公園でボール遊びするな、電車の中で赤ちゃんがうるさい…等々のクレームは、子育てに優しい社会とは言えません。
すべてにおいて、子どもたちは置いてけぼり。大人の都合最優先です。

 実際は、みんな知っています。
何はさておき、教育が大事。
でも、誰か一人が請け負うものでなく、みんながシェア出来ればいい。
私達が一番難しくしている教育。
実はとてもシンプル。
『あなたがそこにいれくれて、良かった』という温かい気持ちが最高の教育
免許がなくても、親じゃなくても、どんな人だって、してあげられる。
みんなが少しずつあげられたら、どんなにいいだろう。

 時間が無い中で、形だけ指導する連帯責任や歪んだ絆、人の価値の所在。
その中で、自己肯定感が消えて行く。
でもたった一人でも、立ち止まって手を広げ
『あなたは、あなただからいいんだよ。』
という人がいてくれたら。

 心にすこーし余裕のある方からで、構いません。
どうぞ、立ち止まって。
子どもたちに「もっともっと」を求めないで。
今いるその子をギュッと受け止めてあげてください。
歌になっているくらい、みんなが欲しがる言葉
「Just the way you are.」(君は君のままで)
は簡単そうに見えて、とても難しい。
でも、トライしてみてください。

 そして、子どもたちの話をじっくり聞いてみてください。
ダメ出しもせず、正しもせず、自分の意見も挟まず。
「そんな風に思うんだね〜」って、ただ興味深く受け止めてあげてください。
それが、どこででも出来るアクティヴラーニング。良質な教育です。

 まずは一週間やってみてください。
変化に驚くでしょう。
自己肯定感を育てる方法の一つです。  

2018年06月05日

子どもという人と暮らす② 〜自由な発想が産まれる場所・消える場所〜



 教室では、自由な発想を引き出すことを一番心がけています。
今私がとても強く感じるのは、子どもたちの中で自由な発想を封じ込める気持ちが働いていること。もったいないことです。子どもの頃の空想や疑問、自由な発想こそが子どもたちのその後の人生を、そして社会全体を明るく面白くしてくれるものです。

 ただ、『自由な発想』は時間がかかります。何せ「自由」だから。時間の枠にも囚われないのです。
子どもたちの空想は一旦広がると留まる所がないので、それにじっくり耳を傾けることには時間が必要です。また、自由な…ということは、大人から見たら良くない発想が出てくることもあります。自由というのは、見方によっては怖い事でもあるのです。
この様な話を聴くと、おうちの方は『学校でそんな時間を作ってくれたら良いのに』と思います。そして学校は『学校ではすることがたくさんあるから、ご家庭で取り組んで欲しい』と思うでしょう。私はその両方にいましたので、それはとてもよく分かります。
 
 そうです、これは誰かの仕事ではないんです。「誰がしなくてはいけない」となると途端にその素敵なアイデアは色を失います。
出来る環境がある人がすればいいのです。また、普段は出来なくても、出来る環境が出来たらいつでもどこでも出来るのです。

 ご家庭で作る事も出来ます。方法はいろいろですが、お子さんが話をする環境を作るんです。でも構えなくて大丈夫。『昨日、○○くんとケンカしてたけど、ちゃんと仲直りしたの?』みたいに重い話題である必要はありません。

 これはある家庭の取り組みですが、クイズを作るのです。子どもたちはクイズが大好きです。答えずにはいられません。食卓で『このお味噌汁には、何が入っているでしょうか!?』慣れていない間は、沈黙もあるかも知れませんが、その場合は『ヒント、ほしい? 全部で5つです!』など。子どもたちが食卓で言葉を発する文化を作るんです。
 それが数年後に、食卓で友だちとケンカしたこと、学校であった嫌な事、嬉しい事を報告する…という習慣に繋がります。
おうちの方は、それに対して意見せずに聴くだけ。もし意見を求められたら、お話ししてあげたらいいと思います。最初の取り組み時は少し頑張らなければいけませんが、それからの労力は減る一方です。エイッと思い切って飛び込んでみてくださいね。

 なので、食卓でのスマホ、テレビは完全にシャットアウト。未だの方、かなりお薦めです。外食時も同じです。
もし大切な連絡網や今しなければいけない連絡は、「ちょっと急ぎのメール一件してくる」と一旦席を外れます。もちろん、大人も同じです。毎日の食事の時にこの習慣がつけば、お子さんがお出かけの時や将来デートの時、家族を作っても、目の前に人がいるのに堂々とスマホをいじる…ということにはなりません。
このスマホが及ぼすコミュニケーションへの影響のお話は、また別の機会にしますね。

 日頃の習慣がお子さんの考え方、コミュニケーションに大きな影響があることは間違いありません。お子さんの年齢が低ければ低い程、その習慣付けは簡単ですが、大きくなられていても問題を感じているのであれば、話し合いながら小さなルール作りから始めてみてくださいね。

 学校でもアクティヴラーニングの取り組みが始まっています。誰かがすれば…ではなく、子どもたちを囲む私達一人一人が、少しずつ工夫や遊び心を出し合って子どもたちに自由な発想の翼を贈りたいですね。  

2018年05月04日

「子ども」という人と暮らす①



 英語教室は面白い場所です。
そもそも英語を「勉強」とか「知識」と捉える方が多いのですが、英語は「言葉」です。英語を話すからといってそれ自体には何の特別さもなく、何を語るのか、が重要なのです。勉強や知識は他の場所で身につけるものかな、と思います。それらを身につける時の手段が英語なのか日本語なのか中国語なのか韓国語なのか…英語はそういうレベルの物だと思います。

 なので、私は英語教室を「英語」という言葉を紹介し、それを使って何か自分を表現してみる場所、と位置付けています。この考え方がうまく伝わっているからか、私の教室はずっと素敵な方々によって支えられ続けています。皆さんからのニーズがあるから、私は先生でいられるのです。
 その多くの方が『英語だけじゃなく、先生と関わらせていたい』というお言葉をくださって、私はもっと自分が発信するべきだと自信を持つことが出来ました。

 子どもたちの中にあるものを引き出すこと、言葉を引き出すこと、そのプロとして生きて来た十数年間のことを少し皆さんにシェアしていきたい、そう思ってこのシリーズをゆっくり始めます。

 私自身も三人の子どもたちを育てていますが、私自身は我が子にも教室の子どもたちにも同じ感覚で接しています。その中で子どもたちがくれる答え、子どもたちに導かれることは日々私の中に貯まっていき、財産となりました。

 この時点で一つ言えることは、子どもたちは誰のものでもなく、子どもたち自身の人生を歩むために産まれて来た存在であるということ。それぞれが賜物を持っている存在であること。「子育てしなくちゃ」、と過剰に背負い込んでしまいがちな私達ですが、私達大人がすべきことは、実際「私達の元にやってきた『人類のちょっと後輩』が自分らしく歩める様にサポートすること」だと思うのです。

 それが「子どもと共に暮らすこと」です。  

2018年02月27日

自分を引っ張り出す




 教室では春の発表会に向けて、各クラス準備中。2年以上英語を学んでいる6年生は、英語スピーチ制作中です。
実は私、この作業が大好きなんです。元々日本語でも英語でも文章を書くのが好きで、物を書く仕事もしていましたので、作文指導は得意中の得意。まずは日本語と英語の壁を取り払って、自分の言いたいことをただ、オリジナルのシートに書き込みます。

 そこからが面白い。
子どもたちが書くのは、大体「〜になりたい」「〜が好き」という事実のみ。
そこで、その理由を尋ねます。

「え?何となく」

『あのね、「何となく」っていう理由ってありそうで、実は無いのよ。必ず何か理由があるはずだから、ちょっと引っ張り出してみようか』
インタビュー方式で、子どもたちの心の中を探ります。

一つ一つの理由を探る、自分と向き合う旅の始まり。
そして、必ず出て来るんです。会話の中で子どもたちの内から出てくるイメージや簡単な言葉を、一緒にかき集めます。
イメージで出て来るものを一緒に感じながら、それを習った英語に落としていく。その作業がまた楽しい。

「その表現、ここで使えるんだ!」
「こんな言い方したら、まどろっこしくなくてストレートに伝わるね。」


 最初は「え?何となくですよ〜」と言っている子どもたちの顔が見る見る明るくなっていって、自分探しの旅を楽しむ様になります。
その過程がたまらなく楽しいのです。出来上がったスピーチは世界に一つだけ。
その子の心の中がキレイな言葉で整理され、表現された物になります。

 さて、スピーチが出来たら次はどんな風に話したら、人に伝わるだろう。
「伝える」を探す旅。
まだ終わらない旅。産みの苦しみがあるからこそ、産まれた物は美しい。

 後一ヶ月。

教室で一緒に学んできたことでどんなことが出来るかを、一緒に体験します。
その中で私自身も子どもたちに励まされ、勇気づけられ、また気持ち新たに新年度を頑張ることが出来るのです。

本気で自分と向き合う経験をすれば、表現する力がつけば、これから先自分の力でしっかり歩いていけるでしょう。
「なんとなく」と言いながら生きていくよりも、ずっと楽しくて学びの多い人生になると信じています。  

2018年02月24日

失敗を成功の素にするには




 小さい子どもから私よりも年上の皆さんまで、英語を御指導する中で気付くことがあります。それは「失敗したくない」という気持ちです。性格的なものもあるかもしれませんが、十分に克服出来る部分でもあります。実際、極度に失敗を恐れる方々が少しずつ失敗体験を乗り越えて大きく成長するのを常に間近で見ていますので、私は確信しています。
 しかし、その方法は様々。指導者の手腕だと思っています。毎回のレッスンが実践ですので、私は常にその部分だけに神経を集中させています。指導者として、いえ人として、人が自信を失ってしまう様な言葉や言い方で伝えることだけは、私の中では絶対に避けていることです。

 その結果、まず少しずつ私に心を開いて、失敗しても大丈夫だという経験をたくさんしてもらってから、"I can do it!"(出来る!)を体験。そうすれば、その先は自分でどんどん道を拓いていきます。それは子どもたちでも大人の方でも、我が子でも同じこと。

 私が絶対に避けていることとお伝えしたのは、「失敗したくない」方々の多くは、過去の他の人の言葉掛けでそうなってしまっている場合が多いからです。
生きていると、いろいろな感情や関係性から、人から言われたくない言葉をかけられることも多々あります。その言葉が心に突き刺さって長い間抜けないこともあります。
 私が心がけていることは、そのトゲを抜いていく作業。

 そして未知に向かう子どもたちには、「失敗をしなさい」と言います。失敗したら喜ばなくちゃ。先生が今まで身につけて来た力は、ほとんどが失敗体験の中からです。恥ずかしい思いもたくさんして、人から笑われることもあるでしょう。でも私達が見るのは「今」ではありません。常に「これを克服した自分の姿」を見ていきましょう。それは挑戦し続ける限り、必ずやってきます。失敗してそのまま終わらせてしまったら、それは失敗でしかありませんが、それを乗り越えた時に、それは失敗ではなくて輝く宝物になる訳です。

 私の教室の目標の一つは、Make mistakes. (失敗しよう)そして Respect others. (人を尊敬しよう)です。
人の失敗を「今の失敗」ではなく「成功への通過点」と見守ってくれる人が側にいることは、その人の人生に大きく影響すると思います。それが響き合う世の中になると、もっと自分らしく生きていけるでしょうね。

 この小さな教室から、それを少しずつ広めていく、それが私のライフワークです。  

2018年01月16日

ビバ☆アクティヴラーニング



 2018年最初の授業では、各クラスで「英語の感覚を取り戻す活動」をしました。
英語である程度会話が出来る様になったクラスでは、全く日本語を知らない人に「おせち料理」を説明するミッション。
このミッションは度々レッスン中にも行いますが、子どもたちが大好きな活動です。

 私はとにかく子どもたちに「英語しか通じない」という状況を作りだすために演じ切ります。「ほら、あのさ〜、かずのこ!」と言われると、キョトンとして"Hora anosa... what?" と聞き返し、子どもたちは本気で説明しなきゃ、という雰囲気になっていきます。日本語が完全に通じないとなると、子どもたちの工夫が始まります。そして出て来る言葉の面白いこと!「エビ、魚、マメ…」など知っている英語で次々と食材を伝えてくれる子、そして"Yummy!"(美味しいよ)と自分の感想を伝える子、"January"(1月)や"new year" (新年)
私は言われるままにホワイトボードに書き留めます。

 そしてしばらくして出尽くしてから、『じゃ、みんなの頭をグルッとしてアメリカの人になってください。もちろん"おせち"って言われても「え?なにそれ?」だよ。その頭でここにみんなが出してくれた言葉を全部見て、あのおせち料理を頭に浮べること、出来るかな?』
もちろんアメリカ人になるなんて、難しいのは百も承知。でも、それを「してみる」ことをして欲しいんです。相手の立場に完全に立てる訳が無い、でもそこで諦めずに出来るだけ相手の気持ちになってみる、それはとても大事なこと。

 「うーん」とじっくりホワイトボードを見つめている子どもたち。そして「いや、出てこんね〜」

私:『じゃあまた日本人に戻ってね。今から先生が言う言葉、何のことだか当ててみて。「スブラキ」ってなんでしょう。』

子どもたち:「木の種類?」「ロシアのスポーツ選手の名前」「会社の名前?」「掃除機?」…

私:『最初に欲しい情報って何かな』

子どもたち:「種類!」「食べ物かどうか知りたい!」

私:『じゃ、食べ物だとしたら、何が知りたい?』

子どもたち:「おいしいかどうか」「入っているもの」「いつたべるか」「だれがたべるか」「値段!」

そこでその質問一つ一つに英語で答えていき、子どもたちにそれを想像させます。
スブラキは私がニュージーランドに住んでいる時によく食べていたもの。ギリシャのお肉の串焼きです。そのサンドイッチが大好物でした。日本ではまだあまり知られていないので、敢えて『外国人にとっての「おせち」』を体験するために考えてみました。

では、おせちを説明する時にどんな情報が必要か、分かったかな。
その経験をすると、子どもたちはずっと上手に説明するようになります。言葉をたくさん覚えるのも大切だけど、それと同じくらい、自分の知っている限りで人に伝えること、伝える時に相手の立場に立ってみることは大切です。

結構頭が疲れる作業なのですが、子どもたちはこれが大好きなのです。
教室では『自分で考えて、想像して、伝えて…通じる!』 そんな語学学習の醍醐味をみんなで一緒に感じたいと思っています。  

2018年01月15日

言葉で変わる



 敬愛するマザーテレサさんの言葉に『…行動は習慣になり、習慣は性格になる…』(抜粋して要約)というものがあります。

 英語教師として日々たくさんの子どもたちに出会っていると、正にそうだと思うことが多々あります。
私の教室では年に数回、宿題で通帳に貯めたポイントを換算して教室紙幣に変え、買物を楽しむイベントがあります。これは「英語で買物をする体験、そして金額を尋ねて、自分の手持ちのお金と合わせる」…という英語と算数の要素を含むものです。

 子どもたちが大好きなこの企画ですが、準備は実に大変で楽しいもの。ある程度の予算は立てますが、子どもたちがどれだけ楽しみにしているかを知っているので、この時ばかりは赤字覚悟の大盤振る舞い。私自身、普段出来ない爆買い、大人買いを楽しんでいます。子どもたちがどんなに喜ぶだろう…と想像しながら、小さなバイクにおもちゃや文具、雑貨を満載して行ったり来たり…ミツバチの如く飛び回るのです。

 しかし、その私の選択も万人に通じる訳が無く、一瞥して
『今日全然良いのないね』
と、言い放ってしまう子どももいます。

 それだけ聞くと、「その子はなんて無礼なんだろう」と言われる方もおいででしょう。もちろん私も最初は傷付きました。でも、観察していると子どもたちは本当にそう思って言っていないことが多いのです。最終的に「良いのがない」と言った子が、喜んでおもちゃをたくさん買い込んで変えることも多々あります。
では、なぜその子はそんな事を言ってしまうのでしょう。

 それは、その子がネガティヴな事を言うのが口癖の様になっているからです。大人でも、まず挨拶代わりみたいにネガティヴな言葉を言う方、いらっしゃいますよね。その人にとっては口癖で、コミュニケーションのきっかけだったりするんです。

 そこで、考えました。今回は買物の前にみんなを集めて、日本語で丁寧に伝えました。
『あのね、先生はこんな風にして皆さんの頑張りに答えたい〜と、品物を選んできています。みんなの喜ぶ顔が見たくて、喜んで買物をします。でもね、それが全員にピッタリ合うものじゃないことだって、あるよね。
 そこでお願です。「あ、今回は好きなのないな〜」って思った時に、それを言うことで自分の気持ちがどうなるか、相手の気持ちがどうなるか、一旦言う前に考えてみてくれるかな。言う、言わないはみんなの判断にお任せするけど、一旦考えることをしてみてくださいね』

 するとどうでしょう。今回はみんなの顔が違っていました。「先生、これ、いいね。」「What's this?」」みんな、ある物の中から良いところを探していました。その目はキラキラしていて、喜びに満ちていました。
言葉一つで、こんなに違うのか、と驚くと同時に、自分が何気なく発している言葉について考える、という体験に真っ正面から向き合ってくれたみんなをとても愛おしく思いました

 私の希望は、この子どもたちがこれからずっと周りの人に愛され、可愛がられ続ける人になることです。
いずれ私の元を巣立って行く皆さん、そして毎日たっぷり愛を与えてくれるおうちの方の元からも巣立つ皆さん。それでもたくさん愛し、愛される存在でいて欲しいと思います。

 皆さんの目が、どんな物の中からも幸せを見つけることが出来る目なら、いつも笑顔でいられるでしょう。その笑顔と前向きな言葉で、いろいろな人と関わりながら、自分の道を切り拓いていって欲しいと心から願いつつ、日々子どもたちと過ごしています。  

2017年12月06日

これぞ、アクティブラーニング?!



 幼児レッスン中のこと。幼児クラスはいつも通り私の背中に上ったり、腕にぶら下がったり…「先生見て見て〜」ってすごい場所にいたり…と、本当にエキサイティング&スリリング。みんなで遊びながら英語を使ったり、お友達との関わり方を学びます。

 昨日は、私が作ったのっぺらぼうのサンタさんのワークシート。
パッと出した瞬間に、みんな口々に『サンタさん!サンタさん!』って大フィーバー。サンタさんコールは鳴り止まず、みんな私の手にあるワークシートを触ろうとピョンピョン。

「…」
2-3分ジッとそれを見ていましたが、ふと。普段は英語でレッスンしているのをピタリと止めて、自分の想いを正直に伝えてみました。
『先生ね、今、このワークをみんなと一緒にしたいけど、出来ないの。どうしてかな。』
叱る、とかいうニュアンスでは全くなく、本当にただアドバイスを求めるように尋ねてみました。
すると声も動きもピタリと止み、みんな考え出しました。
そしてある男の子が
『ぼくたちが、「サンタさーん、サンタさーん」って言ってるからかな〜』

『へぇ。じゃ、どうしたら出来ると思う?』
『ん?すわる。』
とチョコリンと座りました。
他の子どもたちも「ホントだね」って感じで座って…みんなでワークをしました。

 私は魔法にかかった様に不思議な気持ちでした。ここでどんな風にでも出来たはず。度合いによっては別のゲームをしたり、座るように指示することも出来たでしょう。でも本当に知りたくて、素直に尋ねてみたんです。そしたら、ものすごい答えとものすごい反応。

 子どもたちがどんな風に考えているとか、どこまで分かるとか、自分では決めつけていないつもりだったけど、私が思うより遥かに子どもたちの能力も想像も素晴しいことが、また分かりました。
いつも大きな学びをくれる子どもたちに、心から感謝。

 最初から自分でなんとかしようとせずに、子どもたちに聞けば良かった。

 ね、これってアクティブラーニングに通じていると思いませんか。