2017年05月30日

英語以前の問題①




 教室では月末のスナックタイムレッスン、開催中です。
ちょっとしたお菓子をつまみながら、一緒に食べる時の表現、お茶をいただく時の表現などを体験を通して学んでいきます。

 今月は、教室の新年度が始まって最初のスナックタイム。
まずは「食べても良い?」や、「これ、好き!」「ごちそうさま」を英語で言ってみます。月に一度のことですが、皆さんすぐに行動と連動して言葉が出る様になります。飲んだ後のカップを先生に渡しながら、"Thank you for the snacks!!" 気持ち良い挨拶が自然と出てきます。
そしてしばらくすると、食べながら"It's good!!"ってとーっても嬉しそうな顔をして先生にアピールしてくれるお友達も出てきます。正に日本語で「これ、美味しい〜!」そのままのノリで言葉が英語になっただけ。表情が、声のトーンが、美味しさを伝えてくれます。
だからスナックタイム、大好きなんです

 そして、ここではもう一つ、大切なことを学ぶのです。
お菓子を出した瞬間に『え〜?たったこれだけ〜?』や、『それ嫌い。いらん』…そんな言葉が聴こえて来たら、それは絶好のチャンス!先生は皆さんに日本語でじっくりお話します。
 教室では皆さんの自由な発言を、私も積極的に受け止めて楽しんでいます。決して否定はしません。が、思い遣りに欠ける言葉は、その場で確認します。
 それを言うことで、相手がどんな気持ちになるでしょうか。
また、他に言い方はないでしょうか。
私は、大好きな可愛い子どもたちが、これからもずっと人に愛され、助けてもらえる人でいて欲しいと願ってます。人は一人では生きていけません。そんな時、相手に対する敬意や感謝をしっかり表せないと、自分自身が誤解を受けてしまうこともあるのではないでしょうか。人が好意でしてくれたことに、まず感謝をして、気持ちを上手に伝える。それは英語以前の問題ですし、皆さんが英語を学んで世界を広げていくのであれば尚更、知っておいてもらいたいことです。

 よく、英語を話す時は「思っていることをハッキリ言うこと!」みたいに言われていますが…正解であり不正解。大事な部分が欠落しています。自分の思いを知ってもらうのは大切。でも相手に伝わる様に、そして相手の気持ちを思い遣りながら伝える、それが大切です。英語を学ぶことは大切ですが、フレーズをいくら覚えても、一番大切な「伝える」部分を学ばなければ意味がありません。

 お菓子を食べながら笑顔で「美味しい!ありがとう!」を伝えるのと同じ様に、どんな会話もただ言葉が英語に変わっただけ、話の中身や伝え方は皆さん自身を表しています。
常に周りの人に敬意をもって、感謝しながら日々過ごしていきましょう。  

2017年05月26日

せんせい、あのね…




 新年度が始まる5月も終わろうとしています。週に1度のレッスンに集まる子どもたちが、徐々にその距離を縮めていき、レッスン中の笑い声や笑顔がどんどん増えてきました。教室には、11校の小中学校からの生徒が集まっていて、クラスによっては8人の生徒が5つの小学校から来ている、というケースもあります。皆さんの共通点はこの英語教室に同じタイミングで入った事。その偶然にも見える出会いが、切磋琢磨する仲間との絆になっていくのです。
皆さんが笑い合う姿や、分からないお友達にこっそり教えてあげる姿、すべてに感動しながら、グッときながらこの時期を過ごしているNami先生です。

 さて、教室では最初に集まるまでの間、「Namiせんせい、あのねあのね…」という時間がある(設定している訳ではありません)のですが、その時に日本語でみんながざっくばらんに話してくれる学校のお話がとても興味深いです。学校の先生がこう言った、クラスにこんな子がいた、こんな事件があった…等々、「へぇ〜」と聴きながら、これは宝の山だ〜とホクホクしてしまいます。子どもたちの本音がたくさん詰まっているんですもの。どんな風に感じ、どんな風に物事を受け止めているのか、それぞれの子どもたちを知るのに絶好の機会なのです。それに、子どもたちの視点が面白い!ワクワクしながらいつもお話を聴いています。

 私はこの本音の共有を、とても大切にしています。英語は言葉。ただ練習してフレーズを言える様になるだけでは、面白くありません。出来れば自分のことを知って欲しい、人のことを知りたい。
じゃあ日本語、英語、どっちで言う? ー 今日は英語にしとこうか?
言葉だから、それだけのことなんです。大事なのは、そこには自分が言いたい事、それを興味深く聞いてくれる人、が存在するかどうかです。ここではみんなが良い『聴き手』であり『語り手』になれるように、まず心をオープンにして。
私の教室は、皆さんのありのままの素晴らしさを受け止める場所でありたいと思っています。  

2017年05月25日

コミュ力爆発!




 生涯学習センターで月に2回行っている大人講座「0から始める英会話」のレポートです。
今日は4回目。「0から」とネーミングをしたのは、英語だけじゃなく、あらゆる英語に対するハードルをとことん下げたかったからです。私の軸はいつでも、「出来る!と自分を信じる」ベースを作ることにあります。そこからぶれない様に、とにかく皆さんの良い所をどんどん皆さんに戻しながら進めていくのです。

 過去3回で挨拶や自己紹介を20人の人の前ですることが出来た皆さん、今日のミッションは、パーティー会場を想定して挨拶をしながら人の名前を聞いていく、ということです。ビンゴのマスが16個あります。一つに自分の名前を書き入れ、一緒に言葉を練習したら、まずはお隣さんからスタート。
 Hi! / Hello. から好きな方を、そして My name is ___. / I'm ___. から好きな方を選んで挨拶して、Nice to meet you. 話しかけられた相手も、同じ様に応じます。これは、"What's your name?"を使わない名前の尋ね方で、実際こちらをよく使います。
私は、よく皆さんに選んでいただきます。人それぞれ言いやすいフレーズ、自分をどうプロデュースしたいか、は違います。自分らしい英語表現を使って、自己表現をしていただきたいのです。

15マスを埋めるのは、なかなか大変。でも皆さん果敢にアタックしていかれます。皆さんの活動のご様子を見ていると、言葉を越えたコミュニケーション力のすごさを感じずにはいられません。グッときました。
 小学校で同じ様な活動をした時同じ気持ちになりましたが、大人の方の活動は更にコミュニケーションに深みがある、というか本当に日本語を話しているノリで言葉が英語に変わっただけ、という雰囲気でした。言葉を学ぶってこういうことだよ、と自分が投げたブーメランがたくさんお土産をぶら下げて自分の後頭部に直撃したような、嬉しい衝撃でした。約20名の大人の方が、英語で会話するのが当たり前の空間。私が作りたかったのは、こういう講座でした。
そこに文化がないと、言葉って難しい。英語を話すよ、という縛りの中でも十分楽しくコミュニケーションが取れるんです。みんなですれば怖くない、正にそれです。

 私が投げたブーメランは、「英語で挨拶し合って、クラスの人達の名前でマスを15個埋める」というミッションです。皆さんのここでの目的は、「英語を話す」ことではなく、飽くまでも「マスを埋める材料集め」なんです。そのマスを埋める作業をしながら、なんと素敵な笑顔での会話!自然な英語!そんな素敵なものをたくさん乗せて、また私の元に戻って来たブーメラン。皆さんはもう4回目の講座にして0じゃない、100も200も可能性を広げている、そう強く感じました。「英語は目的ではない。手段である。」を実感していただいた、今回の講座でした。  

Posted by Nami sensei at 23:16大人向け英語講座

2017年05月23日

バイリンガルコース始動!




 教室の新スタッフ、ブラジル人英語講師マルちゃんの英語のみのレッスン、"バイリンガルコース" が始まりました。
日頃皆さんは、Nami先生と楽しく英語を学んでいるのですが、その内容は導入・基礎・実践
実践の部分でNami先生は日本人の先生だからどうしても分かってあげられる部分があるんですよね。「〜って言いたいんだろうな〜」って。皆さんの中にも「Nami先生、教えて〜!」って気持ちがある。それは良い事です。というのも、Nami先生が日頃気を留めている事は、皆さんに「英語、自分にも出来るかも!」と思ってもらうこと。その為にハードルを上げたり下げたりしながら、皆さんのジャンプをお手伝いしているのですから。
 ただ、その中から「もっと英語を話してみたい」「外国の方と実際話してみたい」と思うお友達が増えてきていることも実感していました。

 では、こんな方法はどうだろう?「もっと英語を話してみたい」っていうお友達だけ集まってもらっての、バイリンガルコース。
このレッスンの講師はマルちゃんで、日本語は全く通じません。早速この春から実験的にスタート…その構想に乗ってきてくれた生徒の皆さんは10名。年齢や習熟度で3つのクラスに分けました。その初回が、5月20日土曜日でした。

 ハニラミの教室は入口側と奥との2つに仕切られています。月に一度のバイリンガルコースのある土曜日、Nami先生は入口側のテーブルでお仕事。皆さんはいつもの奥の教室でマルちゃんの授業を受けます。今週はNami先生は英検対策を同時進行していましたが…聴こえて来る皆さんの声に時々耳をすましていましたよ。
 最初は先生の質問に答える声も小さめで、緊張感が伝わってきます。でも…しばらくすると笑い声が聴こえて来て、声がどんどん大きくなってきます。困っているお友達にそっと日本語で助け舟を出すシーンもありましたが、基本的には友達同士でも日本語で話し過ぎるのは無し。だって、想像してみてください。目の前で分からない言葉を話される人の気持ち。それは人として大切なこと。皆さんは英語が話せるのですから、この場での共通語は何が一番ふさわしいか考えて選べる力も身につけて欲しいな…とNami先生は思っています。
 そんな中、皆さんは驚く程の柔軟性で、50分しっかり英語を聞いて話していましたね。マルちゃんに伝わり難い事は知っている言葉でなんとか伝えようとする…その力こそ、コミュニケーション力と語学力の合わせ技!こっそり聞いていて、なんども顔がほころびガッツポーズのNami先生でした。

 そして最後のクラス。中学生は驚きでした。希望人数の関係上マンツーマンだったのですが、英語のみで楽しく会話して大笑い。近所の美味しいお店や、世界の地理の話など…フリートークに花が咲いていました。ニコニコ笑顔で帰ったあの子は、きっと家に帰って日本語がたくさん聴こえることに少し違和感を覚えるでしょう。それくらい、50分の時間をミッチリ、英語だけでかなり様々な話題に対応出来ていて、ユーモアを交えながら話す様子は感動ものでした。

 各レッスン、最後にはNami先生が作った振り返りシートに感想を書きます。初回で多少皆さんには「言いたい事が伝わらなかった!」「なんて言っているか分からなかった!」という悔しさも体験して欲しいと思っていたのですが、それでもほぼ全員がリスニングに関しては「時々分からなくなることはあっても、話の内容は分かった」にチェックを、スピーキングに関しては「時々分からなくなることはあっても、言いたい事が言えた」にチェックを付けていました。自分自身でもちょっとの悔しさはあるものの、充実感、満足感でいっぱいだったのではないでしょうか。このシートはNami先生が次回に繋がる様なアドバイスを添えてお返しします。

 皆さんが日頃のレッスンを受けるモチベーションも変わっていくと思います。英語で伝えられる、思い合う子どもたちがどんどん育っています  

2017年05月22日

名物、母の日クラフト




 毎年新年度が始まって最初にすることは、決まっています。母の日カード作りです。これには二つの目的があります。一つは、大好きなお母さんにメッセージを書く、という目的を英語を通して達成する。英語を目標にする!というよりも「英語を使って気持ちを伝える」ことに重点を置いているのです。
そしてもう一つの目的は、おうちの方と英語を共有する、ということです。もしおうちの方が「これ、何て書いてあるの?」って聞いたら、ちゃんと答えてあげてね、ってお伝えしています。日頃習い事に行ってても、英語が分かってるのかどうなのか?というおうちの方に時々こうしてミッションを通してお子さんの成長を見ていただく事が出来ます。家で英語なんて恥ずかしくて無理!というお子さんでも、お母さんにカードを渡してちゃんと説明するのはミッションですから、割とすんなり出来たのではないでしょうか。

 今年は「お母さんにティータイムを」ということで、素敵なカップをデザインしてお母さんに贈ります。Thank you, Mom.をtrace(なぞって)、自分の名前を英語で書いて、カップをデザイン。学習歴によってカップに「お母さんの特徴」や「お母さんに感謝したいこと」、または「I love you!」って書いてみる…等それぞれにミッションを与えます。
「お母さんの特徴」を書くクラスは、本当によく見てるわ〜という程、その子どもたちのお母さんが浮かんでくる様。You are kind. You are friendly. You are...優しくて、親しみやすくて…と素敵な言葉があふれていました。
「感謝したいこと」は、お料理をしてくれてありがとう。優しくしてくれて、ありがとう。励ましてくれて、ありがとう。全部ありがとう。。。などなどThank you for...という表現を使ってお母さんに感謝したいことを伝えられました。
 カップの色を塗りながら、「お母さんの好きな色ってなんやろ?」と言う子どもたちもいます。お母さんのこと、よく知っている様でまだ知らない事もあるんだねー。もっともっと大好きなお母さんのことを知りたい…そんな子どもたちの素敵なカップ、届いたでしょうか。手渡したティーバッグを鼻につけて「うーん、良い匂い!」って言っている皆さん、とても可愛かったですよ。「一緒にお茶飲みたい〜」って言っていた皆さん、お茶タイムもプレゼント出来たかな?

 ちなみに私も息子にこんなカップ、↑もらいました。嬉しいもんです。

  

2017年05月22日

親子えいごサークル2017




 今年度も親子えいごサークルが始まりました。親子えいごサークルは私のライフワークの一つで、子どもたちの「英語との楽しい出会い」おうちの方とゆっくり遊ぶ時間、そして同じくらいの年齢のお友達親子とのふれあい、を目的に13年前、我が子が2歳の時に始めました。
以来、たくさんの可愛い皆さんと素敵なおうちの方々の英語との出会いをお手伝いさせていただいています。英才教育や習い事…等今の子どもたちにはたくさん選択肢があって迷ってしまいますが…やはりベースは家庭の力だと思います。13年前に感じていたこと、実践していたことですが、この13年間でたくさんの子どもたちと出会って来て感じるのは、始めた当時と同じこと。おうちの方と笑い合った思い出、ギュッとされた感触…それがお子さんのこれからを大きく支えていくのです。

 毎回、おうちの方々の一言英語「ママパパイングリッシュ」で始まり、ご挨拶の歌「The Hello Song, 」をみんなで歌ったら、お天気ソング、自己紹介ソング…そしてその季節のお遊戯ソングを歌って踊って…英語の世界へ。
それからメインアクティビティ、季節の絵本やクラフト、ゲームなどでたくさん英語に触れたら…定番のABCソングを歌って、宿題のぬりえを受け取ります。
ABCソングはフォニックスの要素をさりげなく取り入れたバージョン。ここでフォニックスを自然に身につける子どもたち、実はとても多いんです。
宿題ぬりえは、その日の季節のアクティビティーと連動していますので、おうちの方と一緒に復習しながら出来るものにしています。そして、「The Goodbye Song」を歌ってお別れ

 今月ニューズレターにも書いていますが、サークルでお子さんが眠たくなってしまってウトウト…お遊戯せずにウロウロ…それでも気にしないでくださいね。Nami先生はちゃーんと見ていますし、知っています。お子さんが今大事なインプットをしているところだってこと。自分の中にたくさんの言葉を取り入れて、いつかフッと出て来る瞬間があるのです(アウトプット)。英語は言葉です。ゆっくりゆっくり、楽しみながらお子さんの成長を一緒に見守らせてくださいね。お子さんが踊っていない!とか絵本を見ていない!とかそんなことは、私は全く思いませんし、むしろワクワクしながら見ていますので、どうぞ私にお気遣いなきよう。それぞれのお子さんのペースに合わせてくださいね。

 そんなこんなで…私のお気に入りの時間『親子えいごサークル』 今年も元気にスタートです  

2017年05月17日

出過ぎた杭



 教室の中学生に見られることで、興味深いことがあります。それは、小学生の時に良い発音で英語を話していた子が、カタカナ英語になるということです。
教室の中では当たり前に言えていた言葉、例えば"I'm great!"が、中学生になってしばらく経ったある日に「アイムグレイト」と来るのです。
最初は驚きました。
あれ?どうしちゃったの?
ちょっぴり悲しくなりました。

 今まで教えて来た英語教師としては、ちょっぴり淋しい気持ちになってしまうし、「ちゃんとした発音で言おうよ〜」なんて言ってしまいそうになります。
でも、そこで立ち止まって考えます。そうだ、師匠の言葉を思い出して。子どもたちの中に入って子どもたちの目から世界を見るんです。
すると見えてきます、見えてきます。
「あいつ、なんか発音が妙に良くね?」と囁く周りの人達の顔。クスクス、ザワザワ。

 そこで教室での声のかけ方も考えました。
『あのさ、みんなの英語がカタカナ化してるの、自分でも分かってるよね。でもね、それってみんなが中学校で生きていく上での工夫なんだよね。いいと思う。それは今、みんなにとっては大事な事なんだと思う。全然OK。
 じゃあさ、そこで一つお願い。一週間に一度、ここに来る90分間は先生と一緒に話してた英語を話そう。』

 みんな、ブンブンと頷いて話を聴いてくれます。頭ごなしに「なんでそんな風になっちゃったの〜?ちゃんとしよう〜!」じゃ、あまりに酷です。所詮私は中学校のクラスの中にはいない。その中でどんな風に立ち回るべきかを考える必要がないのだから、実際そこにいる子どもたちが自分で選んだ方法は尊重したい。でもそれと同時に、いつか必要な時にすんなり正しい英語が出て来る様に…その準備もしておこうね…というメッセージも送るのです。

 ある人が「出る杭になるんやったら、とことん出る。その方が、誰からも打たれないんよ。私は出過ぎた杭を目指す。」と言いました。なんて素敵なんだ、と思いました。でもその人はそこに行き着くのに、たくさんたくさん傷付きました。泣きました。
 今の内に自分を守って、いろんな方法を自分で選んで…いつか「打たれない程強い杭」になることを、先生は祈ってます。でもそのペースも、強さも、大きさも、それぞれで良いんだよね。誰に決められるものでも無いと思います。
先生は、ただ祈っています。  

2017年05月15日

母の日に


 母の日に、子どもたちからもらったカードは今までとは違いました。
エプロンを着た私ではなく、仕事着の私のイラスト。
以前は「ごはんを作ってくれて、ありがとう」だったのが、今回は「お仕事頑張って」。
私は軽い罪悪感も覚えながら、嬉しくそれを読みました。

 このカードの内容は、もうティーンエイジャーになった、また限りなく近付いた我が子たちへの私なりの改革がもたらしたものだ、と半分嬉しく思いましたが、それでも私の中に軽く残る罪悪感、それは私の中に深く刻まれた感覚。
「女性は家事と育児に専念すべし」「家族に尽くすべし」

 子どもの頃から母が家族のことを何でもしてくれることに感謝しながら、何か違和感を覚えて生きてきました。
九州生まれの父母の中にもまた、自分自身の理解をも越えた感覚が刻まれていたのです。
思春期になると、よく父に「自分で出来る事はしたら」と言って険悪なムードを作り出していたのは私だけど、私自身自分で出来る事も全て母任せ。違和感を持ったまま大人になって、結婚したら見事にその違和感は私の生活そのものになったのです。

 「部屋とYシャツと私」という歌が大嫌いだったのに、その想いとは裏腹に「それが理想の妻像だ」と目指す自分がいて、理想通りに出来ない自分を不甲斐なく思ったりもしました。子どもが生まれたら、子ども最優先。私達だけを頼りに生きている小さな子どもたちに全力で愛情を注ぎました。無我夢中でした。

 ある時、ホームステイで受け入れた子どもが目を丸くして「Momはスーパーマンみたい。何でもするんだね。」と言ったのを褒め言葉だと受け取って喜んでいましたが、その後また別の国の友人からその国の子育ての話を聴いてビックリでした。
私は、夫や子どもたちが自分で出来る仕事まで奪ってしまっていた。「生きる力」を育てるチャンスを奪っていたのです。

 お母さんに頼りっきりになってしまう家族、それを仕方なく受け入れる私達の文化ですが、一歩外に出てみればそれは一概に「良い事」とは言えないのです。
「手伝ってくれない」と、女に生まれて来た事を嘆くだけなんて、もったいない。少なくとも娘たちにこの感覚を受け継いではいけない
私で断ち切らなくちゃ。先日ご紹介した「アン・ハサウェイ」も演説の中で「自分たちの両親が犠牲になってきたことを、私達が活かさなければ」と訴えています。

 母の日のカードを受け取って、感謝を伝えるのと同時に子どもたちに伝えました。
『今まで、小さくて自分では何も出来なかったあなたたちのお世話をしてきた。
でも、あなたたちはもう自分で生きていける程大きくなった。
これからは、5人の共同生活をしましょう。
お父さんと私はあなたたちが今出来ないこと、『労働』を頑張ります。
今までと違って戸惑うかも知れないけど、私たちは、私たちの、家族を作ろう。』

 仕事で淋しい思いをさせてしまうことはいつも頭にある。
だから、短い限られた時間でも子どもたちの話を聴き、子どもたちに夫と私の仕事からもたらされるものを話し、そして誰もが通るであろう「働く」ことの楽しさ大人であることの面白さを自分を通して伝えたい。
そして、息子が男性として、また娘達が女性として過度のプレッシャーを感じずに、人として尊重し合える社会を作って欲しいと願う。  

Posted by Nami sensei at 11:03Nami先生の育児コラム

2017年05月12日

初心忘れるべからず

 子どもの頃からよく言って聞かされていた言葉が、今になってグッと心に響くことが増えてきました。
そうか、映画や音楽と同様に私達に蓄積されている経験や言葉、学びは必ずしもその時に効果があるのではなくて、本人がそれを必要とする時にサッと現れて私達に手を差し伸べてくれるものなんだな…と今頃になって気付かされています。そう思うと、今私が子どもたちにかける声、話す言葉の一つ一つがいつかこの子たちを助けてくれるのかも知れない、本当に素敵なことだと胸が踊ります。

 さて、そんな言葉の一つ。最近思い出しては、正にその通り…と納得する言葉が、『初心忘れるべからず』です。
ある講演会で、とても良い言葉を聴きました。
『社会的失敗は、自分の人生にとっての失敗ではない』
その方は入試を例に出していらっしゃいましたが、志望校不合格になったことは社会的に見れば残念な結果かも知れません。しかしそれイコールその人の人生そのものに於いて失敗なのか、それはまた別問題という事です。志望校でないけど第二希望の学校に行き、そこで素晴らしい出会いがあるかも知れない。思いも寄らない道が拓けるかも知れない。その結果を作るのも、また自分なのです。

 そんなお話を聴きながら、自分を振り返っていました。社会的には残念だと思われること、多いです。大学を出た後、自分から進んでフリーターになりました。アルバイトをして貯めたお金を持って旅に出て、また戻ってアルバイトをして旅をする…そんな数年間もありました。『どこに就職されたんですか。』と尋ねられたであろう私の両親は、私のことを何と人に説明していたんだろう…今になって思います。
その後務めた会社では、一度大失敗をしました。「辞めちゃ何の解決にもならない」と、誠意で返す事の大切さを教えてくださったのは部長でした。子どもが出来て始めた英語サークル。一生懸命準備して会場に行ってみたら、私と我が子の二人だけ…という時もありました。
小さな小さな英語教室のスタートメンバーは我が子と姪っ子たちの5人でした。
周りの人が眉をひそめて気の毒に思うような経験を山ほどしてきました。恥ずかしさも、決まりの悪さもたくさん経験しました。でも、社会的な失敗は私の人生にとって失敗ではなく、むしろ宝の山だったのです。

 今は老若男女、たくさんの生徒さんたちと日々交わり、楽しく学んでいます。でも私は心の中に、いつもあの時の恥ずかしい思い、やるせない思いも一緒に置いています。そうして目の前の方々への感謝を胸に、いつも初心を忘れずに歩んでいるのです。
  

2017年05月09日

英語で生まれ変わる?!

 


 今は日本でも小学校で英語の時間があるのをご存知でしょうか。現在文科省から定められているのは、全国の5、6年生は年間35時間(単純計算で週に1時間の割合)の英語活動。学校によっては担任の先生が一人で担当していたり、担任の先生と英語の先生のティームティーチングだったりするのですが、私は英語の先生として、小学校に4年間携わっていました。小学校英語に携わろうと強く心に決めたのは、ある講義に行った時のある先生の一言が決め手でした。
『他の時間に全く褒められない子が、この時間には褒めてもらえる、そんな時間が外国語活動だ』

 実際小学校に行ってみると、30名のキラキラとした瞳と、爆発するような元気に気分が高揚。私が知っている状況で表現するならば、コンサート会場。熱気とワクワク…そこにいるだけで幸せな気持ちになりました。本当に一人一人を抱きしめたいような、そんな気分で毎時間楽しかったのを覚えています。時には「どうしたものか」と思う状況もあったけど、それでも子どもたち一人一人はいつもまっすぐだったように思います。私はゲストティーチャーという立場を利用して、全くフィルター無しで子どもたちを見ることに努めました。「褒める」ことは苦手ではなかったけど、努めて言葉に出す様にしました。「そこにいてくれて、ありがとう」そんな想いをそのまま口に出して伝える様にしたのです。
笑顔が素敵。
うなずき、いいね!
どんな細かい動きも見逃さず、子どもたちに反応し続ける。そして楽しく時間が過ぎ、私から見て劇的に変わったのは、日頃「手に負えない子」と思われている子どもたちでした。私が最初に衝撃を受けた『他の時間に全く褒められない子が、この時間には褒めてもらえる、そんな時間が外国語活動だ』という言葉が、ここにスーっと繋がっていくのを感じました。

 小学校外国語活動で世界の文化や言葉を学ぶ…とは言え、それは知識の上だけのことで、実際言葉を使うこととは違います。言葉を使うには、もちろんその言葉の知識も必要ですが、それ以上に人に興味関心を持つこと、それが出来るのは自分自身に興味関心がある人なのです。特に文科省が「コミュニケーションの素地を育てる」と掲げている小学校外国語活動では尚更のこと、まず自分を見つめることが最初の一歩なのです。

 授業中にチャチャを入れてくる子に最初戸惑ったけど、その内容をよく聞いてみると良いことを言っている。『良いことに気付いたね』と何気なく声をかけてから、その子の態度が劇的に変わりました。積極的に活動に参加するようになったのです。後に、担任の先生が「あの子、褒められたことが嬉しかったみたいです。」と伝えてくださいました。
 初回からずっと活動中は全く後ろ向きだった子。授業後に話しかけたりしていたけれど、ある時から職員室に私を訪ねて来てくれる様になりました。他の先生方から「あの子とどうやって仲良くなったんですか」と聞かれたけど、私は何もしていない。ただ、給食を一緒に食べた時、その子の話をじっくり聞いていただけ。授業中にそっぽ向いているその子は、自分の好きなことにものすごく知識が広くて、それを延々と話してくれたのでした。感心して聞いていると、その本まで貸してくれました。「ちゃんと読んだかどうか、チェックしに行くけんね〜」それをチェックするために、職員室に来てくれていたのです。

 英語は言葉。人の言葉は、その人が生まれ育って来た環境を表していると思います。日本語はそれぞれ違った家庭環境の中で出会い、それぞれの生活が言葉に浸み込んでいるのです。そして再び小学校高学年で出会う「言葉」。
もう一度新しい自分に出会うチャンス。
そこは、絶対温かい場所であって欲しい、11年間生きてみて、苦手なことだらけだった自分や人に愛され認められていないと感じている自分。諦めたい様な気持ちの人もいるかも知れないけど、ここでまた素敵な自分に気付いて欲しい。
「あなたは素晴らしい。そこにいてくれて、ありがとう。」
そんなメッセージを贈り続けたいと思うのです。  

Posted by Nami sensei at 09:01小学校英語教育