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2020年09月17日

トイレでコミュニケーション

 昔、母が私たち子どもに伝えたい言葉などをどこからか拾ってきてトイレの壁に貼っていた気がする。その内に私も、家族に伝えたいことを新聞形式にしてトイレに貼ったりしていた。

 その習慣は私の新しい家族でもそのまま続き、私は我が子に読んで欲しい新聞記事などを切り抜いてトイレに貼るようにしていた。
「新聞読みなさい」と言われて「はーい」と読むような子はいない。
でもトイレに貼ってあるものはなんとなく目を通している。私が貼った記事に対して、その内食事中子どもたちから感想や意見が出て来たりして、しめしめと思いながら国際情勢や日本国内の問題、人権や環境、また安全のために気をつけるべきことなどアトランダムに貼り続けた。私自身が新聞に目を通すモチベーションも上がった。

 そんなことを続けていたら、子どもたちが今度は自分の好きな曲の歌詞や試験前に覚えておきたいことなどを紙に描きトイレに貼り始めた。そこで夫や私は子どもたちがどんな曲のどんな歌詞に心動かされているかを知ることが出来る。子どもたちはその曲への愛を表すためにカラフルなペンやテープで飾り、イラストを添えたりしながら素敵なポスターを描く。自分の好きなものや気になることを人にシェアするだけでなく、最大限自分の中から良い表現を出してそれを形にする。トイレに入るのが楽しみになるくらい、そこは美しい空間になった。
 
 テスト時期になると、それぞれが自分のテストに必要なものや覚えたいものなどを貼る。時に歴史、時にスペイン語…それぞれの子どもたちが年齢や選択別に互いに学んでいることや勉強法を自然な形でシェアし、私たちも今子どもたちが何を学んでいるかを知ることが出来て興味深い。

 ほんの小さなことだけれど、そこから広がる世界や「共に感じる」意味はどこまでも広くて深い。小さなトイレの小さな壁面から広がる世界を夫や子どもたちと共有しながら、一人の目からしか見えなかった世界を二人分、三人分、と広げていけるのは面白い。
 オススメします。大人は特別なことをする必要はありません。ただ、そこに「表現する場所」を作れば良いだけ。もしかすると、それが自分自身の中に秘めたものを出す機会にも繋がるかも知れないのだから。

 注意点は一つだけ。人の表現をジャッジしないこと。ただ受け止めること。「あの絵が変だった」「内容が浅い」などと言いたくなっても飲み込むこと。それが大人にとっては一番の難関かも知れないけれど。
もし言いたくなったら「それをしてしまうことイコール子どもたちの表現の前に大きな壁を作ること」と自分に言い聞かせてみよう。  

2020年07月23日

I'm not the only one.

 私自身、英語が話せるので我が子にも、と思って良い環境を探してみたけれど、見つからなかった。

 それが私が10年前に英語教室を開いたきっかけだった。
我が子の為に。
母の気持ちそのものな教室なので、アットホームで子ども一人一人の心に寄り添う環境。
当初我が子だけだった教室も、今ではその十数倍の大きさに成長した。

 私は変わらず毎日子どもたちが抱えてくるいろいろな想いに寄り添い、その気持ちを人に伝える術としての「ことば」を教えている。
「どうすれば理解してくれるか」「どうしたら使えるか」よりも「どうしたらもっと知りたくなるか」「使いたくなるシチュエーションは」学習者目線で考えることを常にしているので、子どもたちは「英語の勉強をする」というより「知る楽しさ、発する楽しさを味わう」つもりで教室に来ている様だ。

 教室が大きくなり、私は10コ年を重ねた。そこで、今まで一人で回してきたいろいろなことを人と分担する、というチャレンジをすることにした。
スタッフ志望の方が見えて、私に尋ねた。
「なぜ、他の講師にレッスンを任せたいのですか」

 想いが溢れすぎて、すぐに答えられなかった。軽くお詫びを伝えて持ち帰った。
 人との会話は自分の中を探るのにとても有効だと思う。
自分の中にむくむくと湧いて出てきた「レッスンは自分がお願いしたい人に任せる」という望みにどんな理由があるのか、よく考えてみたらあまりクリアになっていなかった。

 それが、今朝何気ない瞬間に、ふと降りてきた。

 私はワクワクしたいんだ。

 子どもたちと毎日会って、その子どもたちのその日のコンディション、表情に合ったレッスンを組み立てながら進む50分。
楽しくてたまらないのに、だんだんと人が増えて、我が子同様可愛い子どもたちが私が両手を広げてもおさまらないくらいたくさんになって。
私は日々のレッスンに追いかけられる様になった。

 いつも自問する。「ここでやめる?」
そうして幾つか、もう十分育った子どもたちのクラスを卒業させる。
でもまだまだ私を、否、この場所を必要としている子どもたちがたくさんいる。途中で放り出すわけにはいかない。

 私がしたかったことは、我が子や我が子同様に愛する子どもたちに「英語」を通して希望を感じるきっかけを与えることだった。その為には私が常にワクワクしていなければ、というのは私の美学。
ワクワクは連鎖する。
今はまだ大丈夫。でもふと思う。自分の体力、キャパシティーをちゃんと理解しておかないと、私は出来る以上を抱え込んでワクワクできなくなってしまう。

 そのワクワクを維持するために、お手伝いしてくださる人が必要なんです。

 それが答え。

 あ、もう一つ。
私はオンリーワンにはなりたくないのです。私自身はオンリーワンでもなんでもなく、私の想いがオンリーワン。
だから、その想いをワンではなく、2に3にしていくのが私の務め。
この「子どもたちに希望を届ける教育」の考え方や方法をたくさんの人とわけあって、いろいろな場所で広げてもらえれば、それが一番幸せ。

 そういう訳で、私は英語教室を経営してみたり、生涯学習センターで大人の方に英語を教えてみたり、親子のための英語サークルを開いたり、Youtubeで英語のレッスンをしてみたり、小学校英語の研究会を立ち上げてみたりしている訳です。

 このワクワクを維持しながら、仲間たちとこれからも歩んで行きたい。
教育が多様化し過ぎて、また自分が学んできた過程に対しての違和感もあって自分の軸がブレそうになる時、私が流されないのは我が子や生徒たちが希望いっぱいに成長していく姿があるから。

 再度言います。私はオンリーワンではなく、教師は踏み台だと思っています。
名前も顔も忘れてもらって構わないから、私を思いっきり踏んで飛んで行って欲しい。
 それだけのためにワクワクし続ける、ただの踏み台なんです。  

2020年03月13日

オンラインレッスンでわかった理想のレッスン



 このところの新型コロナウイルス騒動で、子どもが集まる教室でのレッスンが出来なくなった。出来なくなったと言うと受動的だが、私はフリーの教室運営者。誰かの決断に従うのではなく、自分でレッスンをするのかどうか選ぶことが出来る。そこで他国が取っていた「人との接触を断ってウイルスの広がりを抑えた」という話を支持して私も出来るだけ子どもたちを危険に晒さずに英語のレッスンをすることを考えた。
 しかし世間では学校の休校が決まって実施するまでたったの3日。私もそのタイミングでの決断を迫られた。

 そこで昨年からなんとなく視野に入れていた「オンラインレッスン」が浮かんだ。大人向けには既に始めていたが、子どもたち相手はなかなかチャレンジ。私は対面にこだわってレッスンをしてきたので、これは私にとって大きなチャレンジだった。
 でも来週もレッスンは容赦無く続く。私自身もそのまま続けたい。そう考えている内に"Leap before you look, "(見る前に跳べ)と私は自然に教室の全生徒に向けてメッセージをしたためていた。そしてその週末の内に教室生のマイクやカメラテストをオンラインで行い、月曜日からレッスンを始めた。

 そうやって始まったオンラインレッスン。教室での楽しさを画面越しにどう再現できるか、又オンラインだからこそできる期間限定の楽しみもあるのではないか。「見る前に跳べ」は、いつも私のスタイル。まずはやってみよう。そこから一緒に答えを見つけていこう!子どもたちと一緒にレッスンを作るスタイルだ。
 画面にポツリポツリと現れた子どもたちの顔は緊張気味に笑っているので、「リラーックス」と声をかける。「急におやすみになっちゃったけど、どう?」なんていつものように始める。画面越しに子どもたち同士も再開を喜んで、ほんの前の週まで一緒に教室でレッスンをしていたのに、とても懐かしい気持ちになって "Hello!" "Hi!" などと懐かしそうに声を掛け合っている。不思議とこのメンバーが集まったら、英語モードが作動する。習慣は侮れない
 レッスンは楽しく続く。一番の驚きは、私が自由自在に子どもたちのマイクをミュート出来るということ。自分のペースで自分が進めたいようにレッスンを進めることが出来るのだ。全体がざわ付けば、自分のマイクだけを生かしてレッスンが出来る。「なんという素晴らしい環境!これだったらもう世界のどこにいても、私英語のレッスンが出来るわ。今度から全クラスオンラインにしてしまおうかしら」そんなことを思った瞬間、強烈な違和感が私を捉える。

 私が自分の英語教室を始めたのは12年前。その後小学校で教えたりもしたが、自分の教室があることはいつもお守りみたいに私の心の平安だった。それは私がそこに「自分の理想の教育現場」を作ることが出来たからだ。
 敏感過ぎる程人の心を感じ取ってしまう私の特性を最大限に生かさなきゃ。子どもたち一人一人の心に真っ正面から向き合い、その子にとって必要だと思う対応をする。みんなが一緒に笑い、安心して学ぶことが出来る場所を作る。生徒の一言でレッスンの内容がググッと変わることもある。みんながその時学びたいことを英語という言葉に載せて自由に繋いでいく場所にしよう。決して発言をミュートして私のしたい方向にだけ動かす教室なんかではない。

 そう思うとストンと心が落ち着いた。私がしたかったのは、クラス8人が自分が疑問に持ったことやみんなに知らせたいことを口にして、人にそれを受け止めてもらう経験が出来る教室。確かにミュート機能は便利だし、シーンと静まり返った教室が好きな先生もいるだろう。ただ私の場合はその正反対。みんなが安心して発言出来る環境を常に意識しているので、ミュートするなんてもったいないのだ。

 この非常事態、オンラインという対応で一緒に新たな扉を開いた。閉じてしまった扉を嘆くのではなく、開いた扉があると信じてその扉を探す面白さを一緒に体験することが出来て良かった。そして何よりも私の「子どもたちに安全に学んでほしい」という気持ちと、それに賛同してくださり、家庭の中にオンラインレッスンをお子さんが受講出来るようにと短期間で設定をしてくださったおうちの方々に、心からの感謝を送りたい。
 子どもたちはそんな温かいチームに支えられ、楽しく学んでまっすぐ伸びている。
私は、オンラインでも一人一人の言いたいことを救う術を試行錯誤で学び中。それもまた一興なのだ。与えられた環境の中でもどうにかみんなで楽しむ工夫をする姿を子どもたちに見せたい。こんな空前絶後のピンチの中では、誰も出来ることなんて限られている。でも不恰好でもいい、諦めずに試行錯誤するクリエイティヴな大人の姿は、きっと子どもたちの希望に繋がると信じている。  

2019年10月21日

ハロウィンイベント2019



 今年もハロウィンイベントが無事終了。
ハロウィンと言えば、教室が始まった当初の10年前は巷でもちょっとした憧れの欧米のイベントで、グッズを買うのにも海外からネットショッピングで仕入れたり、何かと大変な行事だった。ハニラミでも、盛大にパーティーをしたりご近所を歩いてお菓子をもらってみたり、とハロウィンイベントは毎年試行錯誤で子どもたちに欧米の文化体験をしてもらいたい、と頑張っていた。

 それがここ近年、街でも大きなイベントがあったり、友達同士でホームパーティーをしたり、何よりスーパーで普通にハロウィン仕様のお菓子が出てきたり100円均一ショップでハロウィンの衣装や飾りが購入出来る様になったり、とハロウィンは誰もにとって身近なイベントになった。
取り立てて「英語教室でハロウィンをする」ことが特別ではなくなった上に、下手にしてしまうと街のイベントより地味だったりお菓子が豪華じゃない…などマイナス要素にもなりかねない。
 そこで、私は自分のしたいこととハロウィンを融合することを考え、ここ数年それがハニラミのハロウィンとして定着している。
それは、広い会場を借りて子どもたちをグループに分け、英語を話さないとお菓子をゲット出来ないシステムを作ったのだ。ブースを数個作ってそこを回って、様々なモンスター(英語教師)に会う。そこでその教師と会話をしながらスタンプをゲット。全員がスタンプをもらえたら初めて、Trick or Treat が出来るのだ。

 してみてわかったことは、この「仮装をしている」という非日常が英語を話す実践にとても役立つということ。そして「お菓子をもらう」という明確な目的があるから、子どもたちはとにかく頑張って英語を話す。声が小さくて先生、もといモンスターに "Sorry?(え?)"と言われたら更に大きな声で頑張って、声を届かせる。その小さな失敗と大きな達成感の繰り返しで、各ブースを回り終えた子どもたちに聞くと、みんな満面の笑みで「楽しかった〜!」と言う。袋にはお菓子がいっぱい。子どもたちはそれが満足。そして私や他の教師は子どもたちが何度もトライをし続けて確実に英語を話している時間に、にんまり。

 私がかつて海外生活の中で、どうしてもアイスクリームが食べたくて、またバスに乗らないと家に帰れないから英語の発音を何度もしてみたり大きな声でハキハキ伝えることを意識して英語を話していたことが、子どもたちに重なる。自分が「必要だ」と思って頑張ることよりも良い学習法は無いと確信した。

 私の教室のイベントは毎回実質完全赤字なのだが、目的がしっかりしているので、自分で納得している。それよりむしろ、その価値を二倍にも三倍にもしてくれる子どもたちに毎年感謝しかない。子どもたちは私に「実践に勝る学びはない」「自発的なトライこそ価値がある」ということを思い出させてくれる。私がすべきことは、子どもたちに教え込むことではなく、子どもたちの興味を引き出して自分で「知りたい!」「やってみたい」というところまで連れて行くこと。

 これをもって2019年の私の企画運営によるイベントは終了。イベントは参加者がいるから成り立つもの。子どもたち、そしていつも最大の理解を示してくださるおうちの方々に、心から感謝。今年もありがとうございました。
  

2019年10月16日

なんでも教材



 家で本当に些細なことで手を強打し、バキバキと音もしたので絶対に折れているだろうと思っていたけれどただの打撲で済んだ。それでも痛みはあるので先週今週と手に湿布をつけていると、驚く程子どもたちやお迎えのおうちの方々が心配の声をかけてくださる。皆さんの優しい気持ちに感謝しつつ、なんでも教材にする私はこの打撲すら教材にしてしまう。結構面白い反応だったので、ここに記しておこう。

 高学年クラスである程度英語でのコミュニケーションが可能なクラスは、レッスン最初のある生徒の「先生、どうしたんですか?」をきっかけに "OK. Please say that in English." (はい、それを英語で言ってみよう!)でレッスンスタート。子どもたちは頭をひねる。彼らもよく知っている表現で必ず言えることがあるはずだし、答えは一つじゃない。特にこういう表現はとっさに使うことが多いので、とっさに出す練習をしておきたかった。
 意外と英語で会話のできるクラスでも、詰まってしまったり難しい表現を探してしまったりして、言葉が出てこない。そんな時、サラッとある生徒が言う。
"Are you OK?"
クラスの子たちの顔がハッとする。
「そっか」
そうそう。まずは一言出してみて。先生の手だけじゃなくて、例えば苦しそうにしている外国の方を見かけたら、言葉がわからないから放っておくってことは出来ないでしょう。(実際海外の方が苦しんでいる時に日本人が声をかけられなかった、ということを双方から聞くことがあって心苦しい)

 そして、そのハードルを超えた時に、次の課題が出てくる。もっとちゃんと聞きたい。もっと違う言い方もしてみたい。そこで、ちょっと高度な"What happened to your hand?" みたいなバッチリの言い方を本気で学びたくなる。そういうシチュエーションに遭遇して「言えなかったから次は言いたい」という気持ちになってこそ、やっと湧いて出てくる学びたい欲。
留学や海外生活をした人が英語を話せる様になるのは、そういう経験が圧倒的に多いから。
 私はそれを週に一度の英語教室の中でしたいと思う。年間四十数レッスンではあるけれど、そこで掴む生徒の会話力は時々来るネイティヴとの会話体験の中で大きく評価されている。やっぱり「使う」ことが一番身につく方法なのだ。

 ちなみに、まだ英語を習いたての低学年クラスでは主にリスニングレッスン。私がこの打撲に至るまでの経緯を簡単に英語で話す。一度目でわからない子には再度話す。三度程話したところで、子どもたちの英語スイッチ発動。嬉しそうにブンブンうなづいて全員が理解した、と判断したところで日本語で思考のレッスン。
「じゃ、そんな先生にアドバイスをください」

「あばれないこと!」
「あわてないこと!」
「ふざけない(?!)こと」


と、ごもっともなアドバイスをいただいて、双方向の学び完了。

 手は未だ痛むけど、みんなと楽しく過ごせたから、善しとしよう。  

2019年10月09日

レッスンは楽しい思い出作り

 


英語教室低学年クラス。週に一度のレッスンに通い始めて5ヶ月目。アルファベットをゲームしながら覚えて、色や動物、挨拶など生活の中で使う語彙も増えてきた。フォニックスで文字を見当をつけながら読むことも少し始める子もチラホラ。私はそんなに慌てていないけれど、毎年秋くらいにこの定着振りと英語への親しみ振りに感動する。子どもたちは毎回ゲームをしている感覚だと思う。でもそれぞれのゲームや活動の中に英語が定着する仕組みを必ず入れているので、数ヶ月経った今その定着を確認してホッとする。
ただ遊んでいるだけじゃない。ただ笑っているだけじゃないんだってことが、また証明出来る。

 私はレッスンを通して、方法さえしっかりしていれば、子どもたちが笑いながら言葉や国際的な感覚を身に付けることが出来ると信じている。その証人はいつも子どもたち。学校とも家庭とも違う文化を作り出し、週に一度に魂を込める。

 先週の帰りに、2年生の女の子が私にゲームの提案をしてくれた。
「教室に家グモがたくさんいるじゃない、あれの数を当てっこしよう。」
それを持ち帰り、私なりに流れを作って今週実践してみた。
How many spiders do you see in this room?
英語を始めてまだ半年も経たない子どもたちだけれど、私の英語を聞き取りジェスチャーや表情から内容を察する。そしてスタートの合図とともに全員が教室の中を歩き回る。
1分後、全員席に戻って報告。
"Two!" "Three!" "Five!"
そして全員で一緒に数えてみる。ただそれだけの話だけど、子どもたちは自分で探して数えて、動き、自分が数えてきたクモの数を大声で私に報告してくれる。じゃぁさ、とクモの足の数を一緒に考えたり、昆虫の足の数、私たちの足の数…と。その中で子どもたちは今まで習ったこともない言葉をたくさん覚える。How many ...なんて教えてもないのに、ワクワクした顔で数を答えてくれる。もちろん私は一切日本語での説明無しだ。
前に習った数も、こうやって使うんだ。昆虫の名前、leg(脚)って言葉…
使いながら子どもたちの心に楽しい思い出と一緒に刻むのが言葉
 その想いで、私は今日も子どもたちと笑い、おしゃべりをし、遊ぶ。
子どもたちは確実に英語を自分のものにしていく。  

2019年07月24日

ドラマチック!暗唱発表会

 



 当教室、夏の風物詩「英語暗唱・スピーチ発表会」が無事に終了しました。
6月から練習を始めて一ヶ月半。今年もドラマチックでした。

 今年5月から教室のメンバーになった新しい4つのクラスの皆さんは、自己紹介
 短くてシンプルなものですが、レッスン中に自分の話しやすい英語について考えました。英語は言葉だから自分が話したい、話しやすい英語じゃないと口からスーッと出てこない。英語を何度も聞いて言ってみて、自分なりの英語を作り上げていきました。
みんな初めだったので、レッスン中に発表のスタイルも話し合いました。その結果クラスのお友達と数人で前に立ち、一人一人一歩前に出ての発表。ちょっぴり心強かったね。でも、発表はたった一人。100名を超える人たちが見守る中、堂々とハキハキ発表出来ました。

 そして教室に通って2年目以降の皆さんは、いずれも100ワード〜150ワードの英文(物語や説明文抜粋)を暗唱して発表
毎年思うのですが、ここでのドラマがすごい。最初から「頑張るぞ」とおうちでコツコツ練習してくる子、おうちの方が最初はリードしてくださってチームで頑張る子。でももちろんそれだけではありません。最初からずっと「自分には無理だ」と言ってスタートが遅れる生徒もいます。
 私はそういう子どもたちに寄り添いたい、そういう思いで教室をしていますので、このせっかくの「成功体験になり得る」体験を「出来なかった」体験にしたくない、その一心でレッスン前に少し早めに来てもらったり、土曜日に来てもらったり。そうやって一緒に少しずつ練習しました。
 「自分には無理」という生徒の中にものすごい力があることは、普段から見てわかっていますので、一緒にその子のペースでゆっくり。「あれ?自分にもできるやん」と気付いたら、後は勝手にどんどん上手になります。そんなこんなで、今年も全員立派に仕上げて終わりました。

 英語の前に、子どもたちに一番必要なものは「自分にもできる」という自信。教育にできることは、知識を教え込むことではなく、その自信を掘り起こすこと。それさえ繋がれば、子どもたちが勝手に前に前にと進み始めるんです。

 暗唱発表会、最後は教室に通い始めて5年以上の高学年。自分の好きなものを紹介するスピーチを自分で作って、それを表現豊かに発表しました。もう何度もこういう発表会を経験して、成功体験を何度も積んでいる子どもたち。やはり安定感があります。子どもたちにも話しましたが、人前に出ること、また英語を話すこと、それは「慣れ」が一番の近道です。この「慣れ」の為に、私は毎年いろいろなイベントを用意し、子どもたちはそれをしっかり活用してくれます。

 6月から一ヶ月半のレッスンの中では、全員が覚えてきたところまでをクラスの前で発表します。必ずしていることは、それぞれが発表に対して「前向きアドバイス・感想」を送ること。前向きな言葉をもらった友達は嬉しい。もっと頑張るぞ、と思う。そして前向きな言葉をかけた方は、自分の中で暗唱の時に大事なことを再認識する。「声が大きくて良かった」「発音きれい」「しっかり前を向いていた」そんな言葉が飛び交うレッスンは、前向きなパワーしかありません。
 発表会当日は、一ヶ月半一緒に歩んだ仲間が心配そうに見ています。「頑張れ!」と声をかける子や、暗唱が一瞬飛んだお友達に必死で小声で伴走する子。
毎年胸が熱くなります。

 私がすることは、とにかく励ますこと。無理をさせないこと。「自分が出来る範囲で前に進もう」みんな同じ歩幅じゃない。でも確実に前を向いている。そんなそれぞれのペースをよしとする小さな社会がこの教室の中にあることに、心から感謝。子どもたちの素晴らしさです。

 さ、夏休み初日の大チャレンジ。無事終了。自分の力で得た成功体験。それは誰にも奪うことが出来ないあなたの宝物。大切に磨いていこうね。  

2019年04月10日

今年も大成功!大発表会レポート




 当教室「ハニーアンドラミーイングリッシュクラブ」の発表会は、みんなでホールを貸し切って、保護者の皆さんや大事なお友達を招待して、思いっきり英語で楽しむ自分を見てもらう会。

 各クラス、年が明けた頃からみんなで話し合って何をするか決めます。今まで習った英語を使って、何が出来るかな。そこでみんなで決めたことを、企画、練習して当日に臨みます。何をしたら面白いだろう。話し合いの段階から皆笑顔です。大きなホールで人前に立つことを、いかにワクワクに変えるか、そこが私のチャレンジ。子どもたちにとってとてつもなく高いハードルを、いかに飛びやすくするか。ハニラミの理念「自分でハードルの高さを決めて楽しく飛ぶ」それぞれのゴールはそれぞれのもの。みんな同じことをする必要はないのです。自分たちがどこまで頑張ることが出来るか、を綿密に相談します。

①幼児クラス(年中)
 The Hello Songを元気に歌ってから、自己紹介。 Susan先生と一緒にたくさん練習して、カッコよく言えました。

②幼児クラス(年長)
 クラスのみんなの強い希望により、劇をしました。大きなかぶをオリジナルストーリーに変えて、"Let's Help Nami sensei" 
お散歩中に穴に落っこちてしまったNami先生の"Help me!!"という声を聞きつけて集まってきた皆さんが、魔法や忍術を使いながら、Nami先生を助けてくれますよ。大きな声でセリフを言いながら、上手に表現できました。

③小学生低学年1年目クラス
 習いたてのフォニックスを使って、みんなでアルファベットを使って単語を作るチャレンジです。
バッチリ9つの単語を作ることが出来ました♪練習の時よりも何倍も大きな声が出ていて、嬉しかったな。

④小学生高学年1年目クラス
 超・自己紹介。英語を習いたての7月に初めて人の前で自己紹介をしましたが、更に内容を増やしての再挑戦。
今度は堂々と、しかも自己紹介後にNami先生からのインタビューもありましたが、自然な英語で答えることが出来ました。堂々としてかっこよかったね。

⑤小学生低学年2年目クラス
 クイズチャレンジ!
自分の作った質問が、会場の約100名のお客様の何人に"Yes!"と答えてもらえるか、最初に予想をします。
その予想が当たるかどうか?実際会場の皆さんに問いかけます。さぁ、何人手が上がったかな?クラス全員が助け合って数を数えてくれますよ。
 ここでは面白い効果がありました。お友達の予想が当たるように、みんな優しい数え方をしていました。クラスの結束が更に深まった発表でした。
しっかり大きな声でお客さんに語りかけることができました。

④小学生高学年2年目クラス
 劇)狼と四匹の子ヤギ
英語を習い始めて2年学んだ皆さんの大チャレンジ!
劇は表現が大切。対話もあるので、お互いの息も大事。
ユーモアを交えた、楽しい劇になりました。

⑤小学生中学年3年目クラス
 ザ・クイズショー
自分で作った三択問題を出しますが、最初の自己紹介から最後一つ一つ会場のお客さんに問いかけ、手を挙げてもらうところまでを全部自分でします。
会場と対話するMCの難しさを体験してもらいましたが、本当に堂々として立派なMCっぷりでした。

⑥小学生高学年4年目クラス
 劇)金の斧銀の斧
少人数のクラスで、3名ですが、登場人物の少ない劇を選んで挑戦しました。掛け合いや動き、感情の動きが多い劇ですが、その世界を存分に表現出来ました。

⑦6年生スピーチ
 毎年6年生は自作の文(自分の夢か、好きなもの)を作って覚えて、演台を使って本格的に発表をします。
今年も3名の発表者。私とのお付き合いも5年から9年の皆さん。発音も声の大きさも、貫禄も落ち着きっぷりも、会場を堂々と見つめながらのスピーチも、本当に堂々として素晴らしかったです。


⑧エッグハント
 毎年頑張ったみんなに、お楽しみ企画。
会場全体の大人の方々に、秘密の袋を配っている間にみんなは卵を探す時のキーフレーズの練習。ただ言うだけじゃなくて、相手に会った時、卵をもらった時、去る時のご挨拶もしっかり練習。

お家の方が手にされた袋の中には卵が数個。

ルールは、自分の家族以外の方に尋ねること。Ready ...Go!
教室生はもちろん、会場に集まったお友達やご兄弟、子どもたちがみんな会場に散らばって行きます。卵欲しさに、知らない人にもどんどん大きな声で積極的に話しかけていく姿、頼もしくステージから見守っていました。
 今年もたくさん卵をもらって、ホクホク笑顔。その卵の数は、みんなが話しかけた人の数以上。よく頑張ったね。卵の中に入っているのは美味しいキャンディーや消しゴム。皆さん大事に大事に持ち帰っていましたね。

 最後のお話で、英語を習わせてもらっていることはお家の方の判断。お家の方が「うちの子どもに英語力をプレゼントしたい」という想いで通わせてくださっていること。それには、感謝をしなければならないこと。そしてその感謝を頑張りや言葉で伝えて欲しい、と言いました。
そしてお家の方には、今日このステージに立って発表することが本人の中では最高の出来栄え。「練習の方がよかった」や「もっと〜すれば」と言う言葉は一切言わないで、ただ大きく褒めてあげてください、とお伝えしました。大好きなお家の方からの賞賛があって、この発表会チャレンジは完成なんです。
ハニラミはいつもお家の方と共にお子さんのご成長に関わっている気持ちです。この発表会がお子さんの自信になりますように、どうぞ惜しみない賞賛をお願いします。

 2019年、教室10回目の発表会は100名を超える会場の皆さんに見守られて、無事終了しました。運営を支えてくださったボランティアスタッフの皆さん、卒業生ボランティアに心から感謝します。  

2019年01月30日

チャンスが見えますか



 ハニラミは、英検の準会場です。
準会場は大手の「うちは英検○○級を○人出しました!」という広告を打っているところならば良いこともあるでしょうが、ぶっちゃけて言うと実は運営はとても大変な上、特に何もお得ではないのです。

 でも私が準会場をしているのには、一つの大きな理由があります。
 3年前に教室を大きくした時、保護者面談の中で「英検を受けさせたいけど、部活を休めない」等のお話を伺いました。英検がこれだけ大事だと言われていても、学校の先生方の温度差は大きく、英語に関心のない先生方もいらっしゃるのでしょう。いろいろ言いたいこともありましたが、私は文句をいう前に楽しくなるアイデアを!の精神なので、よし、教室で夜英検やっちゃえ〜!と部活が終わってから来られる時間に設定しました。特に英語を今まで頑張ってきたけど部活で受験が難しい3級と準2級を中心に夜開催にしています。

 英検に限らず、私たちは生きている中でたくさんのチャンスに囲まれています。それを掴む勇気があるか、掴む意欲があるか、また自分にとって掴むタイミングなのか、が違うだけで、そこに散らばっているチャンスの数は同じだと思います。そしてどのチャンスも、ばら撒かれた種のように、そこから何が生まれてくるか、何を育てられるかは未知なのです。チャンスを掴んで、それから大きな花を咲かせる子どもたちもたくさん見てきました。そのサポートも励ましも、そしてチャンスを作り出すこともしてきました。英検準会場は私にとって「チャンスを作るチャンス」だったので、迷わず掴んだ訳です。

 チャンスはリフトの様に次々に目の前に流れてくるのです。もしかすると、目の前の友達が自分が迷っている間にそこにヒョイっと乗り込んでしまうかも知れません。でもその苦い経験は、また次のチャンスが巡って来た時に、あなたの背中を押してくれる力に変わるでしょう。

 焦らず、自分のタイミングで。でも、いつかその時がきたら「エイッ」とそのリフトに乗り込んで、今までと違う世界を見てみましょう。
覚えておいてください。あなただけにチャンスが回って来ないのではありません。よく見て見たら、目の前にチャンスは散らばっています。
掴む勇気さえあれば。
 
 チャンスは、いろいろな形をしています。
一見ピンチに見えることも、実はチャンスなのかも知れませんよ。  

2019年01月10日

攻める




 英語教室、新年最初の週が始まりました。
2週間の冬休み、英語に触れていなかったであろう皆さんですが、教室に来るとスイッチが入るみたいですね。入り口でHello, how are you? といつもの挨拶。教室の入口に書いてある Happy New Year!! を大声で読みながら教室に入って来る子どもたち。

 全クラス全生徒統一の宿題「今年の抱負」は、実に様々でした。
例年「今年の抱負」として出している宿題ですが、そうするとありきたりの事を書いておけば無難、というのが見え隠れしてしまいます。だから、今年は「英語を使って自分がしたいこと」を「日本語で」書いて来るようにしました。
抱負は自分と向き合うこと
英語を使ってしたいことさえハッキリしていたら、毎週通って来る意味も自分で分かるでしょう。

 「久しぶりの英語スイッチ入れるよ」と物理的にプチッとスイッチを押す真似をしたら、そこからは英語タイム。
先生もビックリするくらい、たくさんの冬休みの思い出を英語で話してくれました。
 そして先生が日本語が分からない外国人観光客に変身!
"What is OZONI (お雑煮)??"チャレンジでは、3分の中でたくさん英語で説明が出来ました。5月から英語を始めたクラス。最初は先生の"Hello." の挨拶にも緊張していたクラスが、"New Year food" "January 1st" "soup" "carrot" "mashroom" "potato" "mochi" "vegetables" たくさんの言葉を使ってお雑煮の説明をしてくれて、感動。

 英語教室に通い始めて最初の新年のクラスに言いました。
「去年は少し守りの年でした。先生はみんなに英語は分からない、と思って欲しくないから、敢えて日本語も少し多めに入れていました。でも皆さんがとても素晴らしく伸びたので、今年は『攻め』の年にしましょう。」
教室がざわめきます。
「先生、ぼくたち、せめられるんですか?」
「いやいや、皆さんが先生を攻めて来るんだよ。じゃんじゃん英語で攻めてきてよ。先生受け止め体制万全だから」

 私が言う「攻める」は、例えばこれから少しずつ増やしていく先生の英語が分からなくなってしまったら、その場で「もう一度言って欲しい」「分からない」を言えるようになること。周りに溶け込んで知った顔してたらダメ。自分が分からなかったら、先生に直接言って。レッスンをじゃんじゃん止めて。
それが言葉を「使う」こと
それが出来なかったら、いくら例文たくさん覚えて唱える事が出来ても、使ったことにはならないんだよ。

 みんなホッとしたような顔になって、そこからがすごかった。
一緒に練習した"Sorry?"(え?) "One more time, please."(もう一度お願いします)"I don't know."(分かりません)を上手にレッスン中に使ってくれました。これぞ双方向のレッスン

 さ、今年も面白くなりそうだ。