2017年12月28日

0から始めた英会話




 何かを信じ続けることは、とても勇気の要ることだと思います。私は英語教師として、『英語を教えること』をこの一年考え続けてきました。いえ、正確に言うと「私が今まで敢えて向き合ってこなかったことに嫌でも向き合わざるを得ない」、そんな一年でした。

 昨年末にいただいた生涯学習センターでのレギュラー講座の講師の仕事は、私がずっと夢に描いていたことでした。チャンスをくださったセンターは、単発講座を二度も開き、いずれも定員に達さなかったにも関わらず、受講生の声を聴いて私に賭けてくださいました
春には定員を越える応募があったことを知らされ、驚きと同時にプレッシャー。でも、そんな時だからこそ私は自分の軸をまっすぐ立て直す必要がありました。そして私の立てた軸は、
『英語を使って、自分の素晴しい能力に気付くこと』
でした。
それを目の前に形として見せてくださったのは、他ならぬ受講生の皆さん御自身。半年経った今、私は自分の立てた軸は間違っていなかったことを確信しました。

 4月にはHow are you?の質問に答える時も緊張気味で自信がなさそうだった皆さん、最初は紙やスクリーンを見ながら、しかし回を重ねる毎にサッと言葉が出てくるようになり、何も見ずにスラスラっと答えられ、笑顔が出てきました。そして今は軽いトークも笑顔で応じられます。
私から見ると、ものすごい勢いで殻を破り、どんどん前に進まれている皆さん、しかし数ヶ月が経つと明らかに元気がなくなられる方も。もしかして…と伺うと、やはり「他の人がすごく見える」と。
 
 大人の方を御指導している中で学ぶことはとても多いのです。子どもたちは不安な気持ちや、嬉しい気持ちがあっても、それを言葉で細かく描写することはしません。表情や声のトーンで私が確認して、想像して本人と向き合うのですが、大人の方々は日本語ですがとても上手に表現して伝えてくださります。なので、私は自分が忘れていた英語学習者の苦悩や喜びを改めて知ることとなります。それが本当に良かった。

 英語を熱心に「もっと上手になりたい」と思われる方々。私から見たら、その情熱と努力、成果はすべて繋がっています。ただご本人からしたら、自分が上達しているかどうか分かりにくい。語学学習の難しい部分です。言葉は習得が目に見えて計りにくく、自分がどこを走っているか分からなくなるのです。
そこで私がすべきことは、皆さんにどのくらい前に進んでいるかをお話することでした。毎回レッスンの中で何度も「こんなところが良くなっています」というのを細かく丁寧にお伝えしました。どうか、人と比べずに昨日の自分と比べる様に…と。

 皆さんに笑顔が戻ってきました。そしていただいた言葉の数々は、私にとっての宝物です。
「先生と出会えて良かったです」
「毎回英語を話す時間がとっても楽しいです」

御自身が英語でコミュニケーションを取っていることが魔法の様に感じられるかも知れませんが、それは皆さんが自分で持っている力なんです。
そしてそれは英語のみならず、ほかのどんなことでも同じなんです。皆さんが勇気を持って飛び込むことで、世界は広がる。
それに気付く機会を作るのが私の仕事だ、と強烈に感じました。少なくとも、私にとっての教師という仕事は教えるのではなく、旅のガイドみたいなものです。

 私が先日聴いて、是非シェアしたいと思った言葉で今年のレッスンを締めくくりました。

『外国の言葉や文化を学ぶことで
 人は二度生きることが出来ます。

 一度目は母国の人間として。
 そしてもう一度は国際人として。』
  

2017年12月14日

Love yourself.




 4月に大人の英語講座がレギュラーで始まってから、早いもので8ヶ月が経ちました。今までの単発講座と違って長い間学ぶ皆さんの伴走が出来るので、回を追う毎に幸せを感じています。

 講座名は『0から始める英会話』。英語経験者ではなく、再び英語を学んでみようかな…と飛び込む方のお手伝いをさせていただきたいと思ったから。

 私が多くを学んだ小学校の外国語活動(英語)の授業では、英語を毎週習っている生徒もいれば、おうちの方がネイティヴスピーカーの子どももいる。でもほとんどが英語に触れたことの無い0からスタートの子どもたち。英語習得レベルもそれぞれ、興味もバラバラ…さて、どうしよう、と考えて辿り着いたのは『英語をツールとして、自分と向き合ってもらおう。自分には、まだまだ自分も知らない力がいっぱいあるってことを知るきっかけにしてもらおう』という結論でした。
 
 それは、とても楽しい作業でした。子どもたちの顔は笑いに溢れ、自信無さげだった子どもたちの顔が次第に明るくなります。最初後ろ向きで授業を受けていた子が、次第に前を向き笑顔を見せ、授業後にいつも話しに来てくれるようになりました。そんな顔を見る度に私はますます元気になります。そんな風で、私達は走りながら充電する車の両輪の様に、一緒に笑いながら力をつけていきました。

 そうです。そこまで来たら、英語だって他の教科だって、なんだって前向きに取り組むことが出来るんです。何も英語の技術だけを教えるのではなく、英語を使ってそれが実現出来るんです。毎日が実験で毎日が勉強。毎日課題を背負って帰る。そんな日々を過ごして、私は「教えない英語の先生」になりました。

 そんな私が大人の方の伴走をしたいと思って企画したのが、『0から始める英会話』なんです。いろいろなご経験、きっかけを持って集まられた20名の皆さん。年齢も経験もバラバラ。ここでの私の目標は、皆さんが「自分は出来る」と知ることです。
8ヶ月が経ち、皆さんの英語は心地良く私の心に響きます。自信を持って笑顔で私と会話してくださるお顔を拝見しながら、4月の皆さんを思い出しています。

 今年も終わりに近づいた今日のレッスンでは、私の大好きな言葉を皆さんにお送りしました。

"このくらいの力がついたらこれくらいの仕事をしよう、と思ってもその仕事はこない。
必ず実力より高めの仕事がくる。それはチャンスだから絶対ひるんじゃダメ。”
森田一義(タモリ)


 これは、いつも私が新しい仕事を受ける時に思い出す言葉です。この言葉を思い出すと、怖さも不安も緊張も忘れて飛び込むことが出来ます。皆さん、英語がこのくらい話せる様になったら…の機会は訪れません。その代わり、ドキドキ、自分に出来るかしら…という時に、タイミングは必ず訪れます。その時はこの言葉を思い出して、ひるまずに飛び込みましょう
途中で分からなくなっちゃったら…謝ってその場を去りましょう。そのために謝り方、立ち去り方をお伝えしました。2020年に向けて、街では英語を話せる人が必要な場面もたくさんあるでしょう。どんな機会もチャンスです。間違うのも失敗するのもチャンス。一緒に飛び込みましょうね。
  

2017年12月09日

小学校英語について

 先日、中学校の教材の件で教材屋さんとお話していましたら、今塾業界は『小学校英語』のビッグウェーブが来てるんですって。英語教育がビジネスチャンス!
 そして、小学生用教材(We can対応)を見せていただいたら、かなーり高度。
素朴な疑問として「これを使う子たちは何の目的で英語を習うんですか」と伺った。受験でもするのかな?答えは意外や意外


「小学校の英語についていく為です」


 はぁ。。。そんなビジネスチャンス、私は要らない。
大人だけならまだしも、子どもたちが、そのご家庭の方々が追いつめられる様な英語教育、要らない。

 それに、塾のテキスト…学校ですることよりも遥かに先行ってますから〜残念。塾についていくために学校が頑張らないといけなくなっちゃいますね。
 随分前に言われていた通り、小学校英語は一部の人にビジネスチャンスと、子どもたちに格差を産むものになってしまいそうだ、ということを目の当たりにさせられて、ちょっとこぼしてしまいました。すみません。
 
 私、最近韓国語を学び始めて…自分がちょっと覚えた単語とか文章を韓国の方に話して、伝わった時すごく嬉しいんです。スーパーマンになった気分なんです。相手が言った言葉が少しでも分かった時、万能な自分に出会えたような喜びなんです。

 それが、私が英語教育に携わりたい目的なんです。

ダメな自分じゃなくて、すごい自分に出会って欲しい。
『あなたは素晴しい』って気付いて欲しい。


 だから小学校英語に賛成だったんですよ。  

Posted by Nami sensei at 12:34Nami先生のつぶやき

2017年12月06日

これぞ、アクティブラーニング?!



 幼児レッスン中のこと。幼児クラスはいつも通り私の背中に上ったり、腕にぶら下がったり…「先生見て見て〜」ってすごい場所にいたり…と、本当にエキサイティング&スリリング。みんなで遊びながら英語を使ったり、お友達との関わり方を学びます。

 昨日は、私が作ったのっぺらぼうのサンタさんのワークシート。
パッと出した瞬間に、みんな口々に『サンタさん!サンタさん!』って大フィーバー。サンタさんコールは鳴り止まず、みんな私の手にあるワークシートを触ろうとピョンピョン。

「…」
2-3分ジッとそれを見ていましたが、ふと。普段は英語でレッスンしているのをピタリと止めて、自分の想いを正直に伝えてみました。
『先生ね、今、このワークをみんなと一緒にしたいけど、出来ないの。どうしてかな。』
叱る、とかいうニュアンスでは全くなく、本当にただアドバイスを求めるように尋ねてみました。
すると声も動きもピタリと止み、みんな考え出しました。
そしてある男の子が
『ぼくたちが、「サンタさーん、サンタさーん」って言ってるからかな〜』

『へぇ。じゃ、どうしたら出来ると思う?』
『ん?すわる。』
とチョコリンと座りました。
他の子どもたちも「ホントだね」って感じで座って…みんなでワークをしました。

 私は魔法にかかった様に不思議な気持ちでした。ここでどんな風にでも出来たはず。度合いによっては別のゲームをしたり、座るように指示することも出来たでしょう。でも本当に知りたくて、素直に尋ねてみたんです。そしたら、ものすごい答えとものすごい反応。

 子どもたちがどんな風に考えているとか、どこまで分かるとか、自分では決めつけていないつもりだったけど、私が思うより遥かに子どもたちの能力も想像も素晴しいことが、また分かりました。
いつも大きな学びをくれる子どもたちに、心から感謝。

 最初から自分でなんとかしようとせずに、子どもたちに聞けば良かった。

 ね、これってアクティブラーニングに通じていると思いませんか。  

2017年12月06日

温もりの連鎖



 無我夢中で走りました。
バイクで走っていると、前を走っていたバイクからポーンと転がり飛んで来たポーチ。車も何もいない道路だったので、次の車が来るまでに慌てて拾ってバイクを追いかけました。

 幸い数百メートル先で信号待ちをしていた方に『すみませーん』と声をかけ、これ、違いますか?とポーチを見せたら、ものすごく驚いた顔とホッとした顔、喜びの表情、いろんな表情がまぜこぜになった年配男性が『うぁ〜、助かりました〜』と。何度も御礼を言って走って行かれました。

 ここで私が驚いたのは、自分の親切心…ではありません。
とっさに動いたその途中のことを全然覚えていないんです。ポーチが飛んできた記憶の次は、男性の笑顔。
本当に無我夢中だったんです。ポーチが飛んで来た時どんな風に思ったのか、どんな風にポーチを拾ったのかが抜け落ちているんです。

 そこでふと思い出しました。
二十数年前、私が博多駅前で交通事故に遭った時、倒れた私がスカートをはいていたからか、サッと自分の背広を脱いで私の腰にかけてくれた方がいらしたこと。自分のアタッシュケースを私の頭の下にサッと入れてくれた方がいらしたこと。救急車に乗せられるまでずっと御自身の物を私に貸してくださったその方に、私は未だに御礼が言えていません。でもずっとずっと忘れたことがありません
何の手柄もなく、褒められることも認められることもなく、でもただ目の前の人のために自分に出来ることを…とっさにとった行動が、その後数十年、いや一生心を温め続ける

 御礼を言いたいというのは、私の願いですが、でもこうして自分が人のために何かをして喜ばれた時、いつもその人を思い出します。名前はもちろん、顔も年齢も何も分からない誰かからいただいた温かい気持ちに、少しでも御礼が言えた様な気がするのです。  

Posted by Nami sensei at 11:09Nami先生のつぶやき

2017年12月02日

寒い冬のお話




 寒くなってきましたね。冬も毎年よく忘れずにやってきてくれるものだ、と感心します。
寒くなってくると思い出すことがあります。今日は私の若い頃の放浪旅のお話にお付き合いください。

 若い頃、暇さえあれば手元にあるお金で行けるところに旅をしていました。必然的に一番ご近所の韓国に行くことが多くなるのですが、安いフェリーや高速船を使い、現地で旅館(ヨグァン)と言われる格安宿を見つけて泊まる、というエコ旅でした。

 その時も、ソウルで宿を探して泊まることにしていたのですが、宿のある中心地に着くまでにあちこち寄り道をしてしまい、暗くなってからの到着になりました。お目当ての宿は満室で、「明日また来てくれるか」と言われたので、困っていると「あ、待って。そう言えば、一部屋あった!」と言われ近くの少し古めの建物に案内されました。離れの様な部屋に入り、歩き疲れていた私はそのまま眠ってしまいました。

 翌朝目覚めて、シャワーを浴びたいと宿の女性に伝えたところ、広い浴場に案内されました。ただ、寒い朝の風呂場はキンキンに冷えていて、大勢が入れそうな広さの中一人でシャワーを浴びると、寒さが増します。シャワーを出してみたらしばらくお湯が出ず、やっと出たお湯もほんのわずか。よし、ここは一気に浴びてしまおう、と最初にシャワーで体を温めてからシャンプーを泡立て、そのままボディーソープで体も泡立てました。一気にお湯にかかってサッと上がろう!
 ところが次に蛇口をひねった時、さっきまで出ていた熱いお湯はもう無く、氷の様に冷たい水がショボショボと出てくるだけでした。目に泡が入るので薄目を開けながらなんども蛇口やその周りを確認、しかしショボショボと出る水の勢いもどんどん弱まっています。仕方なく頭からその氷水をかぶってみましたが、あまりの冷たさに途中で諦め、タオルで残りの泡を拭き取ってなんとか風呂を後にしました。

 その時の気持ちの悪さと水の冷たさ、誰にも頼れない状況は、今では思わず笑ってしまう良い思い出です。このことを思い出すと、多少寒くても「あの時に比べたら〜」と、笑って過ごすことが出来るのです。