2017年04月18日

一緒に大きくなろう〜自尊心を育てるコツ〜

一緒に大きくなろう〜自尊心を育てるコツ〜


 以前、日本人の子どもは「自分のことを好きでない」と回答する率が他国よりも随分と高い、というお話をしました。「自分のことを好きでない」人は、いつも気持ちが不安定です。だって、『好きでない人間として生きていく』なんて、想像しただけでも辛いことです。

 今回は主におうちの方、先生方が出来る「自尊心の育て方」をご紹介します。もし共感出来る内容でしたら、どうぞお試しくださいね。
以前行ったセミナーで、最初に「お子さんの良いところを箇条書きで書き出してください」と言ったところ、最初はあまり出てきませんでした。時々お話する方で「うちの子には一つも取り柄がない」とおっしゃる方がいらして、驚かされます。

 ピグマリオン効果、というものをご存知でしょうか。これは同じくらいの学力の子どもたちを成績順に二つのクラスに分けて、成績の悪かった方のクラスの担任には「このクラスは成績優秀者を集めている」と言って聞かせ、もう片方の成績優秀クラス担任には「このクラスは成績不振者を集めている」と言って担当させると、前者の方が成績が上がり、後者が下がる、という実験に裏付けられる「人は期待されたとおりの成果を出そうとする傾向がある」という効果です。
ここで大切なのは、その担任の言葉よりも態度や声、接し方や表情……です。担任が本気で信じている期待感は子どもたちに伝わり、子どもたちが期待に答えたい、と思うのです。
 
 私が出会う子どもたちからよく聞こえて来る言葉があります。
『僕ね、頭悪いっちゃん。』「どうしてそう思うの?」『お母さんが言いよった。』
『私はお母さんが大好きだけど、お母さんは私の事嫌いって。そう言ってたもん。』
『先生ね、間違って怒っても謝らんっちゃん。ズルいよね。いつも僕たちには謝れって言うのに。』

 子どもたちにとって、大人の言葉、とりわけ大好きな人の言葉はとても大きく響きます。また、その態度、言葉からその人が自分の事をどれだけ大切に思っているか、汲み取って信頼を築くのです。

 あ、思ってもいない事を勢いで言ってしまった!
 怒りに任せて言ってしまった!
 大人だし、今更引き返せない。
そんなことは、よくあることです。でも諦めないでください。もしそれが本心でないのであれば、また、例え本心が少し入っていたとしても、今これをご覧になって「あの言葉を取り消したい」と思われたら…どんなに時間が経っていても遅くないです。まずゆっくり向き合って、謝ってください。言葉をまた新しい言葉で取り消してください。出来るだけ心をこめて。

 私達が子どもたちの成長を見て喜ぶ様に、子どもたちの過ちを許す様に、子どもたちも私達の成長を見守ってくれています。信頼の中、何度もチャンスをくれます。怒ったり、謝ったり、笑い合ったりしながら…一緒に大きくなっていきましょう。その中に子どもたちが心からぶつかり合う安心感を見出せたら、きっと自分のことをしっかり認められる人になっていくと思います。
そして、そんな関わり合いの中から、おうちの方々や先生方御自身の中にも、「ちゃんと自分の言葉と向き合えた自分、謝って自分の気持ちをちゃんと伝えられた自分」尊く思う気持ちが芽生えてくるのだと思います。


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Posted by Nami sensei at 09:05 │Nami先生の育児コラム