スポンサーサイト

上記の広告は2週間以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書くことで広告が消せます。  

Posted by スポンサー広告 at

2018年01月16日

ビバ☆アクティヴラーニング



 2018年最初の授業では、各クラスで「英語の感覚を取り戻す活動」をしました。
英語である程度会話が出来る様になったクラスでは、全く日本語を知らない人に「おせち料理」を説明するミッション。
このミッションは度々レッスン中にも行いますが、子どもたちが大好きな活動です。

 私はとにかく子どもたちに「英語しか通じない」という状況を作りだすために演じ切ります。「ほら、あのさ〜、かずのこ!」と言われると、キョトンとして"Hora anosa... what?" と聞き返し、子どもたちは本気で説明しなきゃ、という雰囲気になっていきます。日本語が完全に通じないとなると、子どもたちの工夫が始まります。そして出て来る言葉の面白いこと!「エビ、魚、マメ…」など知っている英語で次々と食材を伝えてくれる子、そして"Yummy!"(美味しいよ)と自分の感想を伝える子、"January"(1月)や"new year" (新年)
私は言われるままにホワイトボードに書き留めます。

 そしてしばらくして出尽くしてから、『じゃ、みんなの頭をグルッとしてアメリカの人になってください。もちろん"おせち"って言われても「え?なにそれ?」だよ。その頭でここにみんなが出してくれた言葉を全部見て、あのおせち料理を頭に浮べること、出来るかな?』
もちろんアメリカ人になるなんて、難しいのは百も承知。でも、それを「してみる」ことをして欲しいんです。相手の立場に完全に立てる訳が無い、でもそこで諦めずに出来るだけ相手の気持ちになってみる、それはとても大事なこと。

 「うーん」とじっくりホワイトボードを見つめている子どもたち。そして「いや、出てこんね〜」

私:『じゃあまた日本人に戻ってね。今から先生が言う言葉、何のことだか当ててみて。「スブラキ」ってなんでしょう。』

子どもたち:「木の種類?」「ロシアのスポーツ選手の名前」「会社の名前?」「掃除機?」…

私:『最初に欲しい情報って何かな』

子どもたち:「種類!」「食べ物かどうか知りたい!」

私:『じゃ、食べ物だとしたら、何が知りたい?』

子どもたち:「おいしいかどうか」「入っているもの」「いつたべるか」「だれがたべるか」「値段!」

そこでその質問一つ一つに英語で答えていき、子どもたちにそれを想像させます。
スブラキは私がニュージーランドに住んでいる時によく食べていたもの。ギリシャのお肉の串焼きです。そのサンドイッチが大好物でした。日本ではまだあまり知られていないので、敢えて『外国人にとっての「おせち」』を体験するために考えてみました。

では、おせちを説明する時にどんな情報が必要か、分かったかな。
その経験をすると、子どもたちはずっと上手に説明するようになります。言葉をたくさん覚えるのも大切だけど、それと同じくらい、自分の知っている限りで人に伝えること、伝える時に相手の立場に立ってみることは大切です。

結構頭が疲れる作業なのですが、子どもたちはこれが大好きなのです。
教室では『自分で考えて、想像して、伝えて…通じる!』 そんな語学学習の醍醐味をみんなで一緒に感じたいと思っています。