2020年06月27日

私が大事にしていること

 英語支援で小学校に入った時、私の教室は開校2年目だった。
英語のレッスン中、やる気がないように見える生徒もいたし、私に何度も話しかける子もいる。
 今はわかる。その子たちの声を聞くことこそが私の仕事。私はその子たちの話を聞くために時間を使う。でもその当時はまだ半分くらい「英語を教えなくちゃ」「授業を進めなきゃ」と多少のプレッシャーもあったから、人知れず悩んでいた。

 小学校で100以上のクラスを見ていると、先生と生徒の関係性が見えてくる。ある時、先生が生徒をめちゃくちゃに叱って怒鳴りつけ、腕を掴んで教室から引っ張り出しているのを見た。胸が痛くなったが、そうやって怒鳴りつけるクラスは静かなことに気が付いた。そして他の先生方からの評価も高い。

 なるほど、と自分の教室でも一度だけその方法で指導してみた。
確かにシーンとなった。でもそれは私が求めていた生徒との関係ではなかった。その後、子どもたちとの関係を作り直すのが大変だった。
 私らしくないことをしてしまったな。
 今でもそれを思い出すと心がキューンとする。でもいつもそこにいて、私を信じていてくれた子どもたちのおかげで、今がある。失敗は怖いけれど、それを「あれがあったから」と成功に変えられるのも、失敗した人の特権。

 「思考停止」は私の理想とは対極にあるもの。そして生徒を恐怖で押さえ込んでいると、そこには明らかに防衛本能が働き、思考停止が生まれる。
だから、私の教室では根気よく話を聞く。子どもたちは口を開き始め、自分の頭で考え始める。

 正直、そういう子どもたちにとって英語を話すことのハードルはとても低くなる。それが私の狙い。自分で考えて言葉を発すること程楽しいことはない。自分で考える人は、人の考えも知りたくなる。
そういう知的な人たちを育てていきたい。
従順な人ではなく。


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