8月6日

Nami sensei

2020年08月07日 12:35





 私が小学校の校長先生だったら…今日のお話は何にしましょう。
そんな想像を膨らませています。

======= 8月6日 校長先生のお話 =======

 皆さん、おはようございます。突然ですが、みなさんの中にある「当たり前」はどうやって作られたか、知っていますか。誰か、知っている人、いるかな。
あ、そこ手が挙がってますね。先生方、マイクをその子にお願いします。

「みんながするから、まねをするんだと思います。」

 ありがとう。みんながするから、真似をして「当たり前」が出来るということですね。なるほどなるほど。うなずいている人もいますね。

 じゃ、今もし先生が「はい、今から戦争です!戦争をしてください!」って言ったら、それはみんなの「当たり前」になりますか。
 あ、首を振っている人もいますね。そうですか。今みんなの当たり前はきっと「戦争をしないこと」ですね。この75年、日本では戦争がありませんでしたから、みんなにとっても先生方にとってもおうちの方にとっても、戦争がないのが「当たり前」なんです。

 でもね。この「当たり前」を変えることは結構簡単なことなのかも知れません。
もし校長先生が今ここで「戦争をしますから、先生方準備をしてください」って言うと先生方は準備を始めるでしょう。そしてみんなにも「明日から戦争のために、これとこれとこれを準備しなさい」って言うでしょうね。みんなは家に帰っておうちの方に「明日から戦争だから早く準備しないと。これと、これが必要だから、買っておいてね。」って伝えるでしょう。みんな持ってくるから、自分だけ持って行かないわけにはいきません。
 そして翌日からは戦争の練習を始めます。全部の授業は中止。毎日毎日戦争のことを学んで、練習していきます。そうしている内に、皆さんの中で戦争は「当たり前」になるんです。いえ、皆さんだけではありません。先生方やおうちの方の中でも「戦争が当たり前」になるんです。
一人が言った言葉で数十人が動き、数百人を動かして数千人に影響を与えたら、それはもう立派な「当たり前」なんです。まさに「みんながそうするから、する」ということが「当たり前」ですね。

 先生が皆さんにお願いしたいことは一つです。
例えみんなが「偉い」と思う人がそれを言っても、例え自分以外のみんながそれをしていても、自分が動く前にはちゃんと調べたり考えたりして欲しいのです。自分にとって、それが正しいことかどうか、自分と話し合ってみてください。分からなければ調べてみてください。まだ誰も経験したことがないことであれば、想像してみてください。それが本当に正しいことか、を。

 そしてさっき手を上げてくれたお友達の様に、先生やおうちの方にみんなが考えたことを教えてください。時代はどんどん変わっていきます。先生やおうちの方が答えを知らないこともたくさんあります。そんな時は、みんなと話し合うことが必要です。みんなの考えを知ることで、新しい方法が生まれるからです。

 みんなが自分を大切にして、自分の声をしっかり聴き、自分と話し合い、そしてそれを周りの人たちと分け合ってくれることを願っています。

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