誰の幸せ?
先日、翻訳家の「小宮由」氏の講演会に行って来ました。
その中で拾った言葉。
「子どもの幸せは 大人の幸せとは違う」
これは大収穫。このところずっと考えていたことが、この言葉でストンと心の中に落ち着いた。
そうなんだ。子どもの幸せのため…と大人が描いているのは、大人の自分の「今の」価値観での「幸せ」であって、それを子どもたちに見せても、必ずしもそれは
子どもの幸せではない、ということ。
先生は絵本のお話をされていたのだが、これは何にでも通用する言葉に思えた。
子どもたちは今、間違うことさえ許されない。迷う前に誰かが「こっちだよ」と道に戻し、速度が弱まれば、「早く早く」と急かされる。背負う荷物の内容も量もゴールも
全部決められている子どもがあまりにも多いことに、驚く。
高校時代からの親友が、当時彼女のことを心配する家族に向かって
『お願いだから、間違えさせて』
と懇願したのが衝撃的で、今でもよく思い出す。
若人よ、
自分の速度で、自分の足で歩むんだ。
時には誰よりも遅くなったり、突然加速したり。道に迷って泣いても叫んでもいい。誰かにすがってもいい。
そしてキラキラ光る憧れに出会い、ときめいたり、心をたくさん動かして、見つけた宝物は、あなただけのもの。
その宝物を探すプロセスを、
人生で一番楽しいプロセスを、
子どもたちから奪ってはいけないと思う。
それを知らない人は、自分の幸せが何か
自分が幸せかどうか、わからなくなってしまうだろう。
ゆっくり
見守り、近くから遠くから
そっと寄り添う存在でいたい。
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