2018年01月15日

言葉で変わる

言葉で変わる


 敬愛するマザーテレサさんの言葉に『…行動は習慣になり、習慣は性格になる…』(抜粋して要約)というものがあります。

 英語教師として日々たくさんの子どもたちに出会っていると、正にそうだと思うことが多々あります。
私の教室では年に数回、宿題で通帳に貯めたポイントを換算して教室紙幣に変え、買物を楽しむイベントがあります。これは「英語で買物をする体験、そして金額を尋ねて、自分の手持ちのお金と合わせる」…という英語と算数の要素を含むものです。

 子どもたちが大好きなこの企画ですが、準備は実に大変で楽しいもの。ある程度の予算は立てますが、子どもたちがどれだけ楽しみにしているかを知っているので、この時ばかりは赤字覚悟の大盤振る舞い。私自身、普段出来ない爆買い、大人買いを楽しんでいます。子どもたちがどんなに喜ぶだろう…と想像しながら、小さなバイクにおもちゃや文具、雑貨を満載して行ったり来たり…ミツバチの如く飛び回るのです。

 しかし、その私の選択も万人に通じる訳が無く、一瞥して
『今日全然良いのないね』
と、言い放ってしまう子どももいます。

 それだけ聞くと、「その子はなんて無礼なんだろう」と言われる方もおいででしょう。もちろん私も最初は傷付きました。でも、観察していると子どもたちは本当にそう思って言っていないことが多いのです。最終的に「良いのがない」と言った子が、喜んでおもちゃをたくさん買い込んで変えることも多々あります。
では、なぜその子はそんな事を言ってしまうのでしょう。

 それは、その子がネガティヴな事を言うのが口癖の様になっているからです。大人でも、まず挨拶代わりみたいにネガティヴな言葉を言う方、いらっしゃいますよね。その人にとっては口癖で、コミュニケーションのきっかけだったりするんです。

 そこで、考えました。今回は買物の前にみんなを集めて、日本語で丁寧に伝えました。
『あのね、先生はこんな風にして皆さんの頑張りに答えたい〜と、品物を選んできています。みんなの喜ぶ顔が見たくて、喜んで買物をします。でもね、それが全員にピッタリ合うものじゃないことだって、あるよね。
 そこでお願です。「あ、今回は好きなのないな〜」って思った時に、それを言うことで自分の気持ちがどうなるか、相手の気持ちがどうなるか、一旦言う前に考えてみてくれるかな。言う、言わないはみんなの判断にお任せするけど、一旦考えることをしてみてくださいね』

 するとどうでしょう。今回はみんなの顔が違っていました。「先生、これ、いいね。」「What's this?」」みんな、ある物の中から良いところを探していました。その目はキラキラしていて、喜びに満ちていました。
言葉一つで、こんなに違うのか、と驚くと同時に、自分が何気なく発している言葉について考える、という体験に真っ正面から向き合ってくれたみんなをとても愛おしく思いました

 私の希望は、この子どもたちがこれからずっと周りの人に愛され、可愛がられ続ける人になることです。
いずれ私の元を巣立って行く皆さん、そして毎日たっぷり愛を与えてくれるおうちの方の元からも巣立つ皆さん。それでもたくさん愛し、愛される存在でいて欲しいと思います。

 皆さんの目が、どんな物の中からも幸せを見つけることが出来る目なら、いつも笑顔でいられるでしょう。その笑顔と前向きな言葉で、いろいろな人と関わりながら、自分の道を切り拓いていって欲しいと心から願いつつ、日々子どもたちと過ごしています。


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