2017年06月25日

なぜ英語で話せないの?

なぜ英語で話せないの?


 昔友人が言っていました。
『英語のレッスンって、自分のこといろいろ聞かれるから、嫌い』
確かに。「昨日何を食べましたか」「何色が好きですか」「休日は何をして過ごしますか」
…放っておいてくれ、と言いたくなる人がいるのも納得。

 日本の授業で他にそんなこと聞かれる時間は、ない。おまけに言うと会話の中でもそんな事聞かれるタイミングがない人だってたくさんいます。
実際、私自身日本語で会話をする時に、あまり自分の事は話さない様な気がします。人の話は聴くけど、自分の休日なんて話しても誰も興味ないかも…なんて思ってしまうのです。でも英語で話すときは、自分の家族の話や子どもの頃の話、昔した旅の話…話題に事欠くことはありません。

 そう考えると日本人にとっての会話の目的と、欧米の会話の目的が違うのかも知れません。日本人にとって会話は情報伝達手段の色が濃いような気がします。自分の昨日の行動や、自分の好きな物なんて、相手にとって必要な情報じゃない。話し手がそんな風に思ってしまう風潮はあるような気がするのです。

 戻って、英語教育のお話。日本人が英語という言葉の形を一生懸命覚えても、一向に英語で会話が出来るレベルまでいかないのはなぜでしょう。先程の例を当てはめると、答えは明確です。
 教室で、生徒に私が質問を浴びせかける時間があります。その時に「好きな動物」を聞いても「食べ物」でも「テレビ番組」でも、一瞬会話が止まってかなり長い時間待つ間、生徒は首を傾げ考えています。では…と時間を3分与えて、各項目について自分が好きな物を一つだけメモしてもらいます。メモした後に同じ質問をすると、形はしっかり入っているのでサッと答えが出てくるのです。

 英語教育では、スピーキングが大事、と言いながらも「学力」や「文法」「リスニング」に重点が置かれがちですが、やはり「言いたい事がない」「相手に伝える事を躊躇してしまう」ブロックが大きいのではないか、と思います。

 現に、私という1人の人間が日本語と英語を話す時で話題が違う様に、日本の考え方で言葉だけ変えても実践には繋がらないと思います。それぞれの文化があるので、どちらが善い悪いの話ではなく、ただ言葉を学ぶ目的を改めて思い出して、その目的に沿った指導が必要だ、ということです。


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