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2018年11月16日

授業=ライヴ



 私にとって授業はライヴ
一週間、毎日日替わりで来る生徒のタイプも年齢も違う。毎週同じ曜日に会う生徒でも、コンディションによって全然違う。
その全てを盛り上げ、引き込み、学び合う場が教室。

 先日、大人の生徒さんに『先生は誰の言う事も聴いてるんですね』と言われて嬉しかった。子どもたちはそれを当たり前だと思っているし、私自身当たり前だと思っていたが、改めてそう言われてみると私は教室にいる人たちの言葉を全部拾うつもりで授業をしている。生徒の一言が、その日のレッスンを大きく動かすキーワードになることだってあるし、私が用意していた言葉よりずっと全員の心に残る言葉だったりするからだ。

 時折、悲しそうに、また怒りながら教室に入って来る生徒がいる。きっと学校で悲しい事や悔しい事があったのかな。それでも教室に来られたことがとても嬉しく、ありがたい。私を試すような言葉や態度で来られても、私は取り敢えず全部受け止める。怒って返したり、その態度を咎めたりしない。
 レッスン中、最初はふてくされている子を引き込みながら、一言でも発したらまず大いに歓迎する。
だんだん温まってくる。どんどん良い言葉を出し始める。それをどんどん拾って歓迎。帰り、丁寧に挨拶をして帰る背中を見送りながら、ホッとする。きっと今日あった嫌なこと、ここに置いて、その代わりに自信を持って帰ってくれたかな。

 ある時、英語の問いと答えを交互に進めていた。リズムよく進む中、ある生徒の順で止まってしまった。その子はずっと考えている。
私は英語で『わからないんじゃいんだよね。今、いっぱい頭の中に答えが浮かんで、どれか迷ってるんだよね。その一つを掴んで先生に投げて!』と言った。
生徒は大きく頷き、空をフッと掴んで私に投げながら、英語で答えた。
 その生徒に対するめいいっぱいのポジティヴなイメージを、その子が掴んでくれたのだ。目に見える形で。
私も想像していなかったその行動に、心が震えた
 もしも一人つっかかったその生徒を「わからないのね」と言ってしまっていたら、その子は「自分はわからない」と思い込んだだろう。
でも、私はその子の目に希望を見出した。そして、その子が空を掴んで投げた時、信じる力の大きさを改めて想った。

 子どもたちとの日々は、学びだらけ。
希望と自信は誰かにもらうわけではない、自分で見つけ出すもの。
そのお手伝いをするために、日々のライヴの中でその方法を、一人一人オーダーメイドな方法を見つけ出しているのだ。
ライヴとは、その日その時その場所、その人にしか見つけることができない宝物を見つけるところ。
そこに私たちがいる限り、宝物が出ない日はない。
それが見える子どもたちを育てたいのだ。