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2017年10月19日

言葉を学ぶこと



 子どもたちに英語を教えている中で、英語を学ぶこと自体がとても体と心に良いことだと気付きました。「英語」というより「言葉を学ぶこと」なのですが、言葉を学ぶことは、楽器と近いのかな…と思います。練習しないと前に進めない。でも練習すればする程自分の理想に近付ける。
それに、人に伝えるものなので、表現も同時に磨くことが出来る。自分の魅せ方、話し方を気にし始めると、自分の内面と向き合うことになる…
実はとてもとても深いものだと思うのです。

 特に大人の方にとって面白いのでは、と思って飛び込んだのが「生涯学習センターでの指導」です。いろいろな場所にアイデアを持ち込んで、あるところでは、子どもと同じ様に指導されるなんて『大人を馬鹿にしている』とか『ネイティヴじゃないと今時流行らない』と一蹴されてしまったのですが、今思えばその時にくじけていなくて良かったです。
それから数年、私のアイデアを拾ってチャンスをくださった某市の生涯学習センターに大変感謝しています。
昨年トライアルで春と秋に二度開催した短期講座を経て、今年は春から一年のレギュラー講座。丁度今折り返し地点にいます。

 始めてすぐに気付いたことは、受講生の皆さんの「学びたい」というお気持ちがとても強いということです。私が出すものがどんどん吸収されていくのを感じます。私のレッスンは「ライヴ」。受講生さんからの突然のご質問など常に受け付けています。レッスンの流れは組んでいますが、その質問も反応もすべて流れの中の大事な要素。実際レッスン中に飛び出す質問は、どれも興味深く、それを皆さんと一緒に考えていくのが私の一番好きな部分です。

 例えば、『〜って英語で何て言うんですか』というものから、発音に関するもの、文化…様々です。そして先日いただいた『洋書を読む時にそれをどう訳すかは、その人任せなのですか』というご質問は、その場では私の持っている知識でお答えしたものの、とても興味深かったです。
 私達英語教師はその場で質問に答える事は仕事柄得意なんです。なんとなく納得出来る答えは、常に持っているからです。しかし、それを説明出来るということと、自分の中に落とし込むということは別で…家に帰ってもじっくりと考えてみました。そして、今まで苦手意識が強くて手に取ったことが無かった洋書を読み始めました。そうか、洋書を読む楽しさって、そこにあるんだ…と気付かせていただいた出来事でした。

 教室では、自分のことを"I"と言う時、相手に「私(わたし)は」「私(わたくし)は」「ぼくは」「俺は」「拙者は」「おいどんは」…どんな風に受け取って欲しいか、それを考えて話してみてください、とお伝えしています。
日本語ではそれを言葉で表すことが出来るので比較的簡単ですが、それを話し方や表情、仕草…で表すことに挑むのは、自分を改めてプロデュースすることです。プロデュースするには、自分と向き合わなければいけません。
 今まで自分のことはさて置き…で過ごしてきた皆さんが、ふっと立ち止まって自分を振り返る、そんな時間を「ことばを学ぶ」ことで共有しています。