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2017年08月23日

同じ目的、違う言葉



 夏休みです。日本の夏休みと言えば…膨大な量の宿題。私の教室ではどのクラスでも、夏休み中は最初に『学校の宿題を何%したかな?』の話から入ります。なかなか宿題が進まない生徒に、計画的に取りかかることに気付いてもらいたい、という目的です。

 ある生徒は夏休み始まったばかりなのに"80%"。周りがどよめきます。
自分も頑張ろう!という気になります。
 でも、終盤になると…やっぱり出てきます。
「終わりそうな気がしない」
という生徒。

 ある生徒は夏休みも終盤、暗い顔をして教室に来ました。聞かなくても分かるけど、敢えて宿題の進度を尋ねると"40%…"
終わりそうな気がしない、と悲し気に言うので
『よし、後何が残ってるか、言ってごらん』
と、残りの宿題をホワイトボードに全部書き出しました。
『じゃ、計画を立てます。』
と残りの夏休みの日付を表にして書き、
『後、計算ドリルが〜ページ。一日に何ページくらい出来そう?』
『自由課題は何の絵を描くか、決めてるのかな』
『自由研究は、身近なところから探そう』
子どもにインタビュー形式でどんどん表を埋めていきます。それに答える内に、顔がどんどん明るくなっていき、最後には
『おぉ〜出来るやん!』
と笑顔に。まるで魔法を見たかの様に、すごい、すごいとホクホク顔。

 最後に白い紙に全部書き写させて、チェック欄も作って…
『作っただけじゃ、ダメだよ。自分との約束だから、全部しっかり守ること。』
うん、うん、とキラキラした顔で頷きます。

 ふと思いました。宿題が全然出来ない…自分には無理…と思っている子どもたち。本当に苦しんでいます。でも自分に絶望している様に見えて、方法が分からないだけ。
闇雲に「自分が悪い」「宿題やりなさい」では、ただ苦しめるだけ。

 大人だって忙しい。でもこの計画を作るのにかかった時間は、10分程度。ちょっと視点を変えて…
「宿題しなさい」を、
「どうしたら、出来るか、一緒に考えてみようか」
に変えてみませんか。そこから子どもたちが学ぶ事は、一生通じて大切なことです。

 残りわずかですが、毎年出てくる
「先生〜2時まで宿題していて、眠いです〜」
という子どもたちが、今年は減るといいな…