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2017年03月31日

『火を灯そう』



 先日、アメリカから来た学生と話をしました。彼は絶対不平不満を言いません。でも、いろいろな事に対して意見はきちんと持っています。「不平不満を言う前に自分が動く」という精神を彼の言葉から感じる事が出来ます。私の息子といってもおかしくないくらいのこの若い青年から、私は多くを学びました。

 日本の英語教育を推し進める中で、文部科学省が掲げたのは『コミュニケーション素地を育てる』ことでした。日本人に足りないのは語学力だけではなく、コミュニケーション力でもある、という考え。それは私も同感です。
そもそも単一民族で小さな島国に暮らしている私達は、自然と「言わなくても伝わる」感覚を身につけて育っています。今までさほど必要のなかった「自分の考えを言葉で表現する」「文化の違う相手にも伝わる様に伝える」ことは、かなりのハードルであることは間違いありません。

 私は海外で生活したこともありますので、自分が肌で感じてきた難しさや困難を克服した方法、などを持ち帰り英語学習者の皆さんと共に学ぼうと決めました。そして、それを伝える事の面白さと難しさを感じています。面白さは、子どもたちや英語学習者の方々は違う方法を試そう、という好奇心にあふれているということ。正しく学べば正しく身につける事が出来る、というプロセスを生徒さん方の中に観るのはとても興味深く嬉しい事です。
難しさ…で言うと、周りを見渡した時スマートフォンなどの普及で、あらかじめ自分の目の前の人とのコミュニケーションを断ってしまう人達です。それは目指すところと逆行している様に思えてなりません。そして、文部科学省が大きな目標を掲げているにも関わらず、教育に使うお金が十分でないことです。ならば目標を変える、方法を変える、ということも考えられますが、「お金はないけど、このレベルまで上げよう」と政治家が言えば、現場は従うしかありません。その場合、1人の人へのしわ寄せが増える事は容易に想像できます。しかし、私は教育はチームで行うべきだと考えています。

 ただ、こうして私が世の中や政治に対して不平不満を言ったところで、それは何にもなりません。利益を産むはずもなく、そのネガティヴな言葉は、ただ私を後ろ向きにさせます。そんな話をしていたら、留学生の彼が良い言葉を教えてくれました。
"It is better to light a candle than to curse the darkness."
「暗闇を嘆くより、火を灯そう。」

 私は自分の目の前の子どもたちや先生方と楽しく英語やコミュニケーションを学んで、いっぱい笑おう。暗闇を嘆くより、笑顔の火を灯そう。その火が増えたらきっと世の中はもっともっと明るくなる、そう想像してみると、自分のしていることをとてつもなく尊いことだと思えるのです。  

Posted by Nami sensei at 09:23Nami先生の英語コラム